るぅとくんは甘いキスがしたいようで【stxxx】

じゅうなな ページ21

「でもそう言われると、口にしたくなっちゃうじゃん…」

『マジでやめろ』


るぅとは、ぺろっと舌を出す。
その顔は、少し小悪魔で。


ちゅ、と耳にキスを落とす。


今まで感じたことのない感覚にゾワっとする。

大丈夫、まだ大丈夫。


「その顔かーわい」


ぽんぽんって頭を撫でられる。
なんか、ふわふわして、変な感じ。
るぅとなのに。


「誘惑、ですよ。なんか、耳にするのって変な感じですよね」


誘惑、か。
まさに今その状況だ。

るぅとに誘惑されて変な道に進んでる気がする。


次に、首の方に移動して、また、ちゅ。

くすぐったい。
痛みとか全然ないから、キスマークとかではないと思う。
ただ単に、触れただけ、みたいな。


『くすぐった…』


うぅ、変な気持ち。

私からいいよっていったから、途中からやめるわけにはいかない。


どんどん、変な気持ちに飲み込まれていく。
甘すぎるキスが、初めてだからなのか。それとも、るぅとだからなのか。


どっちもな、気がする。

あぁ、私、知らない間にるぅとのこと大好きだったんだな。


そう実感すると、なんだか顔が赤くなる。
ドキドキって心臓が高鳴って、はちきれそう。

この音、聴こえてないかな。


「…かわいい」


ぽつりと呟く彼の声が、この教室内に広がった。

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