るぅとくんは甘いキスがしたいようで【stxxx】

いち ページ3

「はい、この問題をー…黄井！！」


「えっ、あっ、はい！！」


私は今日も、ぼーっと授業を受けている。
あ、またるぅと当たったんだとか、あの子体調悪そうだなーとか。結構周りを見ているのも楽しい。

え、体調悪そう…？


私はガタッと立ち上がった。


『先生、あかねちゃん体調悪そうなので保健室連れて行っていいですか』


先生はその子の方へ目をやる。

そしてうなずいた。

「え？遠井？あぁ、いいぞ。」

『ノートはるぅとに取らせるんで。進めといて大丈夫です。はいるぅとよろー』


るぅとの肩をポンっと触る。

その瞬間、るぅとが「はぁ」ってため息をついた。


私はあかねちゃんを後ろにつけて、ガラガラっと教室を出る。


「るぅと、災難だなー」

「も、もう！本当にAは…！！」

「あれ、お前らって名前で呼び合ってんの…」

「ひゃ、ち、がうの！！」


教室から出た今でも、みんなの声が廊下に響く。

他のクラスのことも考えろって…


「Aちゃん、ありがとね。」


そう言って、えへって笑う。

そう、この子はかの有名な遠井さんなのである！！！遠井さん！！大事なことなので2回言いました！！


「私今日朝から体調悪くて…ジェルにも話せないし、周りの子に話すのもあれだし…」

『あぁ、生理ね。だいじょーぶよきっとジェルくんも遠井さんが今日変だってわかってたと思う』

「確かにいつもよりはちょっかい出さなかったわね…」

『優しいねジェルくん』

「そんなことないわよ」


あかねちゃんは少しだけ頬をピンクに染める。

恋ってすごいな。


高校1年生の頃からずーっと同じクラスだという奇跡、そしていつまで経っても付き合っていないがもう接し方が恋人を超えているというアレですよ、そうリア充！！！


『あー、あかねちゃんは両想いの人がいていいなー！！私なんか好きな人どころか私に想い寄せてる人なんていないのよ！！』

「え？」


ぐーって大きく伸びをすると、あかねちゃんは、首をこてんっとさせた。


「黄井くんがいるじゃない？彼だいぶ重症よ」

『えぇ？！るぅとぉ？！いやいや、全然そんな素振り見せないよー？』

「あらあらー、名前で呼び合っちゃって。仲のいいことー」

『おいあかね』

「はいすみません」

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