【募集企画】秘密の孤児院【本編】

朝に弱い【深雪】 ページ9

「…………起きたくない」

私、深雪は朝に弱い｡
というか、朝が嫌いだ。
日光｡寝癖｡首の痛み｡

(………苦痛……)

読みかけのミステリー小説にしおりを挟む｡
図書館から持ってきた本で深雪の部屋は溢れていた。
出来れば図書館で寝たいのだが、以前固い床で身体を痛め、おまけに寒くて凍え死ぬかと思った｡

それ以来、図書館で寝るのはやめた｡
その代わり、図書館からの大量の本で夜をふかす｡


食堂に降りてくると大半の人が既に集まっていた｡
椅子に座り、手を合わせる｡

「いただきマッスル！」

大和の声で笑いが起こる｡
私はそんなのお構い無し｡ココアを一口、コクりと飲む｡
甘い暖かさが、喉の奥に広がる｡

(………やまと……人参は食べないと……)

今日の朝御飯のプレートを見て、大和の方を向く。
案の定_______

「ニシシ！…うわ！にんじんだ！食えねぇよ〜」

沙良さんが大和を殴る｡
うわぁ……痛そ。
しかし、大和のために気を使う事もない｡
何故か?日常茶飯事だからだ｡


しばらくすると大和が何やら企んでいた｡
何度かイタズラのターゲットにされている深雪は哀れみの目で大和を見つめる｡

(やまと………何故自分の首を絞めるような事をするんだ………わざわざ……)

勿論、それは大和に届かない________｡

ドッキリ？【春亜】→←イタズラ作戦【大和】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す