【募集企画】秘密の孤児院【本編】

勉強は嫌【メシア】 ページ4

*




「ちょっと、メシア、どうして鉛筆削っとかないの」

「勉強嫌だから、全部折った」

「そうやって資源を無駄遣いしないの！」


そう言って紗良が怒る。
紗良と同い年のリーセが少し困り顔でまあまあとなだめる。

大和はすでに勉強机に拘束されていて、今日頼れるのは自分だけ。


「あーあ、大和はできてるのにメシアはできないんだね〜」

「なにがだよっ」

「お、べ、ん、きょ、う！」

「や、大和だってしたくてしてるわけじゃねーし」

「ほら、あんなドヤ顔してるよ」


そう言われ、紗良が指さす方を見る。
そこには鉛筆を持ってドヤ顔を俺に向けてくる大和がいた。

やってるものは足し算レベルの計算ドリルのくせに。


「アー、メシアは英語……、できるヨネ？」


怒る紗良をなだめるように、頑なに勉強しない俺を慰めるように困り顔で言うリーセ。
俺の横をくすくす笑いなが美羽が通り過ぎる。

その笑いは明らかに好意的なものではなく、むしろバカにしている。


「バカってやだね、同い年とは思えないよ」


英検の本とノート、筆箱を持って少し高めの椅子に座る美羽。
俺はべー、とベロを出してその場を走り去った。

勉強なんかなんにも役に立たねーし！！

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