時計屋さん、休憩時間です。3【赤葦京治】

番外編3英の心 ページ25

及「ねぇねぇ！岩ちゃん！Aと赤葦くん付き合い始めたらしいよっ！」









国「げほっごほっげほっ...」









金田一「大丈夫か？」









国「及川さん...それ本当ですか？」









及「本当だよー！Aちゃんに聞いたんだもん！ま、後半惚気話だったけどね！」









そっか。やっとあの二人くっついたのか。









国「...ちょっとトイレいってきます。」









金田一「いってらー！」









誰もいない体育館のトイレの個室で音を溢さないように、泣く。









国「ふぐっ...あぁ...あ....！」









俺の努力は無駄なんかじゃなかったのかもしれない。









俺がAに気持ちを伝えても結末は変わらなかっただろう。









でも伝えたら。









Aは俺に気を使う。本当に笑いかけてくれなくなる。









今の関係が崩れてしまうリスクなんかあるなら、









幸せでいてほしいから。









俺は









失恋をしたんだ。









こんなに辛いのは初めてかもしれないな。









おめでとう。好きだった人。









お幸せに。









声を圧し殺して泣いていた。









頬を伝ってこぼれて行く。









岩「...国見。」









岩泉...さん...？









岩「...お前の努力は無駄じゃなかったぞ。」









岩「Aを幸せにしたんだから。」









岩「...泣いていいんだぞ。大丈夫。あいつらには聞こえないからさ。」









国「うっ...ああああっ！」









俺は声を出して泣いた。









Aとの思い出を振り返りながら。









熱い涙が流れ落ちるのをやめない。









君が好きだったんだ。









好きだった...。









俺も君を応援するよ。









泣き止んでトイレから出てきた俺の目を岩泉先輩はタオルで優しく拭いてこう言った。









岩「俺から見たらお前が一番かっけーよ。」









俺は少しだけど笑顔になれた。









ありがとうございました。先輩。

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