サモトラケの顔【ヒロアカ】（修正中） (ページ4)

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『雄英高校に？』
　
　
　
　
　
「元からお前を入学させるつもりだったが、
伝えるはずだった朝にお前はいなかったからな」
　
　
　
　
　
　

昼食を食べ終え、しばしの休息タイム。
　
　
いつもならコーヒーを飲みながら本でも読むが
消太さんから話が出たのならそれは叶わない。
　
　
目の前で開いている本に栞を挟んで閉じる。

　
　

　
　
『うーん、入学は嫌ですけど
それに気づいてた訳じゃないですからねえ』
　
　

「お前が賢いのは分かってる。
高校の授業に興味がないのも知ってる」
　
　
　
　
『加えて、仲間ごっこにも興味ない』
　
　
　
　
「それも分かってる」
　
　
　
　
『分かってて聞くんですか？』
　
　
　
　
　
どうせ決まっていること。
　
　
私に拒否権はないにも関わらず、
　
この優しいヒーローは私に許しを請う。
　
　
　
　
この人のこんな優しいところ、誰も知らないだろう。
　
　
　
　
　
　

『世間体を気にするのであれば、籍だけでも置いておけばいいじゃないですか。
通う気は毛頭ありま…いや。』
　
　
　
　
　
そこまで言って口を閉ざす。
　
　
　
少し考え込んだ後、うんと頷いた。
　
　
　
　

　
　
　
　
『いいですよ。通いましょう』
　
　
　
　
　
「…何を考えてる」
　
　
　
　
　
　
やっぱりそう言うよね。
　
　
　
でも言わない。
　
　
　
　
『その内知りますよ。
大丈夫、消太さんたち学校側が困ることはしません』
　
　
　
　
『ただし、条件が二つ。
これも消太さんたちに迷惑も何もかかりません』
　
　
　
　
　
消太さんは無言で先を促す。
　
　
　
　

　
　
『一つ。私を特例として扱い、仮入学として籍を林間合宿が終わるまで置かないでください。
　
二つ。私が無個性なのはすぐに周知してください』
　
　
　
　
　
　
それが私からの条件です。
　
　
　
消太さんは溜息をついて、
「校長に聞いてみる」とだけ呟いた。
　
　
　
　
　
呑むも良し、呑まないも良し。
　
　
　
どちらにしろ、私の日々は変わらない。
　
誰かに左右される人生なんてつまらないもの。