sekureto (ページ6)

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第5話ページ6

君「いいからさっさとあの人形を壊す……」

そこまで言うと、百夜くんが君月くんの頬を殴った。その拍子で眼鏡がこちらの足元まで飛んでくる。

優「馬鹿かお前は！！評価とかどうでもいいだろうが！！てめえの家族が危ねぇんだぞ！！家族は死んだらもう……家族は死んだらもう2度と会えないんだぞ！」

口振りからするに、百夜くんは家族を亡くしているらしい。それがウイルスのせいなのか吸血鬼のせいなのかはわからないが。

眼鏡を拾って2人に近づく。

『私は百夜くんに賛成です。死んだ人間は生き返らない。せっかく月鬼ノ組に入っても妹さんがいなかったら意味ないでしょう？行って来てください』

君月くんに眼鏡を渡す。

君「…あぁ。そうだよな」

百夜くんが顔を凝視してくる。

『えっと…私の顔に何かついてますか？』

優「…お前良い奴だな！やっぱり仲良くなれそうだ！！」

…え？

一体何が百夜くんの心に刺さったのだろうか。

優「おいお前！！連絡官！！治療室ってのはどこだ！！」

「こちらです！」

2人は軍人について訓練場を出ていった。

瞬「何を言われたんですか？」

瞬が近づいてきた。

『どうやら百夜くんは私と仲良くしてくれるらしいですよ』

瞬は頭に？を浮かべていた。

･

あれから10日。一瀬中佐は教室に全く姿を表さなかった。

小「それではこの前やった呪術筆記試験の答案を返して解散にしまーす」

そういえばこの前そんなのやったな。

小「この結果はこれから与えられる鬼呪装備ランク決めにも影響するので結果を受け止めて次回に活かすようにして……」

花依先生の話が終わる。

目の前に置かれたテストの点数はオール100点。まぁいつも通りの結果だ。恐らく瞬も同じだろう。

シ「うわぁーすごい。これアレじゃないですか！超人にしか取れないと噂のあの伝説の点数じゃないですか！」

シノアさんのその声にみんな「何だ？」と言っている。

シ「みんなに見てもらいましょ〜」

優「いいから返せこら！！」

シノアさんが近くの机の上に答案用紙を置く。

「おおおお、なんだこいつ。まじで０点だぞ」

「本当だすげぇ！！」

「この月鬼ノ組は吸血鬼殲滅部隊の中でもエリートの集まりじゃなかったのかよ？」

「答え全部ひらがなで書いてあんだけど。なんでそんな馬鹿がなんでここにいんだよ…」