第11話 ページ12
〈ボクが忠誠を誓うのは、今までもこれからも莉央様ただ1人です〉
『ふふっ、ありがと。力を貸して欲しい時は呼ぶからよろしくね』
〈もちろんでございます〉
『それじゃあ、僕はそろそろ戻るよ』
〈わかりました。……莉央様の人生に幸あらんことを〉
・
ふたたび目を開けると先程の部屋の中。
手には杖が握られている。
念じると小さくなってポケットに入るサイズになった。
『…面白い鬼だったな』
立ち上がって入ってきた扉に触れる。
するとまた簡単に開いた。
部屋から出ると中央に向かう。
グ「宮地!!」
シ「莉央さん!!」
『あ、一瀬中佐とシノアさん』
グ「無事なのか?」
シ「それにあの扉の向こうには何があったんですか?」
『どこも怪我してませんよ。あの奥には部屋があって、儀式陣が1つありました。契約もしてきました。』
そう言うと一瀬中佐とシノアさんは目を見開いた。
グ「もう1つの儀式陣?!しかも契約までしてきたのか…!」
シ「本当に、無事でよかったです」
『心配かけてすみません。見ての通り、私は無事なので安心してください』
グ「そのようだな。今は優たちが契約をしているから終わるまで待っててくれ」
『わかりました』
そんなことを話していると君月くんが起き上がるのが見えた。
君「…成功したのか」
『君月くんおはようございます』
君「宮地、無事だったんだな」
君月くんはホッとしたような顔を浮かべる。
『えぇ、見ての通りですよ』
君「お前も調伏に成功したんだな」
『ん〜…調伏と言うよりは』
瞬「莉央様!!!」
背中にドンッと衝撃を感じる。
瞬「ご無事だったんですね!安心しました!」
ぎゅーっと抱きしめられる。
『…瞬、苦しいです』
瞬「あっすみません!!」
瞬がパッと離れる。
君「それで、何を言いかけてたんだ?」
『…簡単に言うと、忠誠を誓われましたね』
君月くんは目を見開く。
君「…鬼にか?」
『そうです』
君「人間に忠誠を誓う鬼っているんだな…」
瞬「…莉央様に忠誠を誓うのは俺だけでいいのに」
『鬼にヤキモチ妬かないでください』
話していると百夜くんが目を覚ました。
グ「お、上手くいったか?優」
優「……はっ、当たり前だろ」
君「余裕こいてんじゃねぇよ。調伏に時間かかりやがって」
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作者名:彩夜 | 作成日時:2020年3月28日 17時