第10話 ページ11
瞬「莉央様！莉央様！！」
瞬が扉をドンドンッと叩くが返事は無い。
そして押しても先程のように開く様子も無い。
グ「こんな所に扉があるなんて聞いてねぇぞ？……いや、こんな扉は存在しないはずなんだ」
瞬「…どういうことですか？」
グ「この部屋には、定期的に軍の奴らが点検に来ている。全体をくまなく調べるんだ。だからこんなとこに扉があったら気が付かないはずがねぇ」
瞬「じゃあ何で今この扉はあるんですか？突然現れたとでも言うんですか！！」
瞬は焦っていた。
いつの間にか隣にいたはずの莉央がいなくなってて、今は謎の扉の中に閉じ込められているのだから無理もない。
グ「とりあえず、柏木も儀式陣の中に入れ。お前たちが契約している間に俺とシノアが調べておく」
シ「さぁ、行ってください」
瞬「っ…わかり…ました」
瞬は大人しく拳銃がある儀式陣に入った。
グ「お前らは安心して契約してこい。こっちは俺たちが何とかしておく」
優「グレン！莉央のこと頼んだぞ！！」
グ「わぁってるよ。ほらさっさといけ。」
全員不安げな顔をしていたが、武器に触れるとその場に倒れた。
グ「さて、どうやって宮地を取り戻すかな」
･
目を覚ますと真っ白な空間にいた。
そして目の前には140cm位の角を生やした少年が立っている。
〈お待ちしておりました。ラ……いえ、宮地莉央様〉
『…へぇ、君は゛僕 ゛のことも知っているのか』
〈存じております。あなた様が来られる日を心待ちにしておりました〉
ふぅん…。
『…これも全部、あの吸血鬼の仕業って訳だ』
どこで情報が漏れたのか…。いや、もしかしたら最初からわかっていたのかもしれないな。
〈そうですが、ボクがあなた様を慕う気持ちは紛れもなく本物です〉
『そうらしいね。で？契約してくれるの？』
〈もちろんでございます。ボクが仕えるのはあなた様だけです〉
少年は僕の前に跪く
〈ボクの名前はリアム。力を使う時はこの名をお呼びください〉
『わかった。この杖は一体どんな力を使えるんだ？』
〈莉央様が思った通りの能力を使え、形を変化します〉
『つまり僕の想像力が戦いの全てを左右する訳だ』
〈そうです。小型化もできるので場所には困らないかと〉
随分と便利な武器だな。
『誰かに忠誠を誓うなんて、リアムは鬼らしくない鬼だね』
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作者名：彩夜 | 作成日時：2020年3月28日 17時
