暴走 ページ16
今から十二年前。
ゴア王国の外れに位置するのどかなフーシャ村で、二人の子どもがチキンの載ったお皿を前に叫んでいた。
ウタ「早く食べて逃げたほうが勝ちだからね!」
ルフィ「おう!」
その二人は、ウタとルフィだった。
そして彼らから少し離れた位置には野良犬がよだれをたらしながら吠えている。二人がチキンレースと呼ぶこの勝負は、犬におそわれる前にチキンを食べきって逃げたほうが勝ち、という危険極まりないルールだった。
『ねぇ、本当にするの？』
二人の前に立っているのは可愛らしい顔立ちをした女の子───Aだった。眉を下げて心配そうに二人を交互に見ると、彼らは鼻を「フンス!」と鳴らして頷く。
そんな二人に、Aはチラリと酒場の方を見てから『はぁ…』とため息を吐いた。Aは審判役としてそこに立たされているのだ。
マキノ「危ない!やめなさい二人とも!」
さわぎを聞きつけてやって来た、ルフィとAの保護者ともいえるマキノが注意するものの、二人は耳を貸さない。
するとそこへ、あざやかな赤い髪をなびかせて男がやって来た。シャンクスだ。
シャンクス「好きなようにやらせればいい。こいつらにとっては真剣勝負なんだ。Aが止めたのにも耳を貸さないのがその証拠だ。」
シャンクスのまなざしはどこまでもやさしい。
彼に視線を向けられたAは諦めたように肩を落として二人を見た。
『いくよ？よーい……』
二人がAを見ると、彼女は小さい両手を前に出した。
『3・2・1!』
1と同時に「パンッ」と手を叩く。そこで二人が「バン!」とテーブルをたたき、勝負がはじまった。
マキノ「何を争っているんですか？」
マキノが心配そうに言うと、シャンクス率いる赤髪海賊団の副船長、ベン・ベックマンがくわえタバコでこたえる。
ベン「どっちが立派な海賊になってAを連れて海に出れるか、だってさ。」
マキノは、くだらない……といった表情だが、赤髪海賊団のメンバーは興味深そうに二人をみている。幹部のラッキー・ルウもその一人だ。
ルウ「ルフィの勝ちか？」
巨漢のラッキー・ルウが自分でも肉を食べながら楽しげにそう言うと、ウタがルフィのほうをチラリと見てから、コップに入ったオレンジジュースを手に取った。
ウタ「ジュースあげる。」
ルフィ「わっ!ありがとう!」
ルフィはむじゃきにそれを受け取り、ノドを鳴らしてジュースを飲みはじめた。
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巫缶 - 歌姫VS歌姫…ニヤニヤが止まりません…更新好きなとき頑張って下さい！ (2022年9月20日 22時) (
レス) id: 926dc0c43f (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 時雨さん» ですよね！？小説ではスペードって書いてあったのでそのまま書いてしまいました……(泣)ありがとうございます！ (2022年9月19日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 琳さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月19日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - さくにょさん» うわぁ〜！ありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月19日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - chiiinoさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年9月19日 11時) (レス) id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2022年9月15日 16時
