【ルフィ】麦わらの歌姫-7- 【ONE PIECE】【映画沿い】

【２】 ページ9

深海(・・)から突きあげる海流が、シャボンに収まった島を高く(・・)持ちあげているのが見えた。


カナ「あれは……」

『ノックアップストリーム……!』


見覚えのある“それ”にカナとAが声をあげる。
サニー号の甲板では、ルフィが誰よりも気合いの入った表情で叫んでいた。


ルフィ「行け!フランキー!」

フランキー「任せろキャプテン!こんなときのための秘密兵器がある!」


秘密兵器───。

この少年心をくすぐる言葉に、ルフィ、ウソップ、チョッパー、そして少年ではないがカナが声をそろえて反応する。


ルフィ,ウソップ,チョッパー,カナ「秘密兵器ィ〜〜〜!?」


しかし秘密兵器を使うには、ある程度時間がいるようだ。フランキーがその準備に取りかかっている間に、ルフィと同じ時期に海へ出て海賊となったライバルたちが、ノックアップストリームを進んでいた。

まっ赤な髪を逆立てた凶悪な顔つきの、ユースタス・キャプテン・キッド。
手長族の陽気な海賊、スクラッチメン・アプー。
元海軍から海賊になった異色の経歴を持つ、X(ディエス)・ドレーク。
男勝りの女海賊、ジュエリー・ボニー。
背に羽を持つ空島出身の怪僧、ウルージ。
常に落ちつき払った態度が不気味な、バジル・ホーキンス。
一大組織のマフィアから海賊になった、カポネ・ベッジ。

ルフィをふくめ、彼らはひとくくりに、“最悪の世代”と呼ばれ、世界中の人から恐れられていた。
他にも、麦わら一味の大ファンを自認するバルトロメオ。目立つためなら命を懸ける美男子、キャベンディッシュの姿もあった。


ドナルド《さあどうなるお宝争奪戦!ノックアップストリームを駆けあがりデッドヒートォ!》


ドナルドの実況が熱を帯びる中、ようやくサニー号にも動きがあった。


フランキー「待たせたなお前らぁ!」


甲板にあらわれたフランキーが声を張りあげる。


フランキー「サウザンド・サニー号フライングモデル!皇帝ペンギン仕様だぁっ!」


見るとサニー号の両サイドには、翼のようなパーツが。そして船首のライオンには、くちばしが付けられ、まさに皇帝ペンギンのような顔になっていた。


ルフィ,ウソップ,チョッパー,カナ「かっこいい〜〜〜!」


興奮した様子を見せたのは、やはりルフィ、ウソップ、チョッパー、カナの四人だった。


ナミ「さぁ、遅れを取りもどすわよ。」


興奮する四人を無視しながらナミがそう言ったとき、後方から一隻の船が近づいてきた。

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