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炎に包まれた柱が、ゆっくりと倒れかかってくる。このままだとルフィとAが下敷きになる。
ウソップ「終わっていいわけ……ねェんだ!」
両腕と頭で「ズシン!」と柱を受け止めたウソップは、重さと熱さに耐えて叫んだ。
そして最大限の力を込めて、柱を脇へと反らした。
柱は「ゴン!」と脇に倒れ、なんとか助かったウソップだったが、力を使い果たしたのか自分もその場に倒れてしまった。
カナ「ウソップ……」
息も絶え絶えにカナがウソップを見る。
自分に力がもっとあれば、こんな火なんて食って今すぐここから脱出できるのに…と動かない体に、悔しさが募る。
バキバキバキバキ!
柱が倒れてバランスが崩れたのか、今度は大きなガレキの山が崩れそうになっていた。
憎らしそうに、そのガレキをにらみつけるウソップとカナ。
気力は微塵も萎えていないが、体がまったく動かない。
その間もガレキは、倒壊までのカウントダウンのようにバキバキ音をたてていた。
もはや時間はない。
ウソップとカナの目が悲痛にゆがんだ、そのときだった。
ブルック「黄泉の冷気“
バキッ!
倒壊しかけていたガレキが、一瞬にして氷漬けになった。
ブルックの剣技で、ガレキが凍ったのだ。
チョッパー「ウソップ〜!カナ〜!大丈夫か!!」
大あわてで駆けてきたのはチョッパーだ。
スモーカーが消えたあとに、バスターコール発動の危機を伝えるため、ルフィとAとウソップとカナを探していたのだ。
船医であるチョッパーは、ウソップとカナの姿を一目見るなり顔を青ざめさせた。
チョッパー「ひどい……急いで手当を!」
救急箱に手を伸ばしたチョッパーだったが、その手をウソップとカナが「ガシッ」とつかむ。
チョッパー「え?」
ウソップ「……早ぐ……ルブィどAを……ぢを流しずぎでんだ……」
チョッパー「でもウソップ、お前も───」
カナ「お願い……!」
鬼気迫る表情で懇願するウソップとカナを見て、チョッパーは覚悟を決めた。
チョッパー「……わかった!」
悩んでいる時間がもったいない。
ルフィとAを急いで治療して、すぐにウソップとカナの治療にとりかかればいいのだ。皆の仲間になったときに、なんでも治せる医者になると誓ったのだ。それぐらいのことはできて当然だ。
チョッパーは細心の注意を払いながらも、急いでルフィとAの治療にとりかかるのだった。
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さきっち(プロフ) - ベルモットさん» この続編にアニメシリーズのURLを載せていますよ。2年後からですが…。お楽しみいただけたら幸いです (2021年1月12日 18時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - もし、よろしければアニメシリーズの方も投稿なさる事もあり得ますか?ご投稿なさった場合は読みに行きたいと思っています。 (2021年1月12日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - こんにちは、ストロングワールド編から、読み始めました。文章の繊細さ、語彙力の高さなど、尊敬したい部分がいっぱいでした。楽しく読ませて頂きました。 (2021年1月12日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - Mさん» 普通の原作沿いも最近書きたいなぁと思っております!コメントありがとうございます!! (2020年8月18日 20時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 人見知りのヌーさん» そうなんですか!?初コメが私なんかの作品でよろしいのでしょうか……?(汗)頑張ります!! (2020年8月18日 20時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2020年7月13日 1時