【2】 ページ22
『あたしルフィね!』
カナ「んじゃ、カナはゾロだな。」
空中で体勢を整えたAとカナが水と炎の翼を広げて、確認しあうと飛んでいく。
カナが近くを落ちていたゾロを拾いあげた。
カナ「大丈夫?ゾロ。」
ゾロ「ああ。ルフィは?」
カナ「Aが行った。」
カナがチラリと視線を向けると、ルフィへと急降下するAの姿があった。
宝島の上にいたルフィも、ウソップと同じように湖に落ちてしまっていた。
しかしルフィの場合は、ウソップとは事情がちがう。
『ルフィ!』
その事情をよく知るAが、船長の名を呼び急いで救出に向かう。
常人離れした身体能力を持つルフィだが、実は彼はまったく泳ぐことができなかった。
いや、ルフィだけではない。
“悪魔の実”の能力者は、特殊な能力を得ることと引きかえに、カナヅチになってしまうのだ。
Aがルフィ救出に向かったように、泳げるものが能力者を救いに行くという光景が、いたるところで繰りひろげられていた。
宝島や船の残骸が浮かぶ湖の上で、からくも生き残った海賊たちがぜぇぜぇと荒い息を吐いている。
そんな中、水面からキラーが「バシャッ」と顔を出し、ぐったりしたキッドを引きあげた。
キッドも“悪魔の実”の能力者。泳ぐことができないのだ。
キラー「大丈夫か、キッド!」
心配そうに声をかけるキラー。キッドは無言でキラーに視線を送り、無事を伝えた。
周囲にはウルージやアプー、ボニーやホーキンス、ドレークやベッジの姿もあった。
いかに強い彼らでも、もし仲間がいなかったら助からなかっただろう。
しかしルフィの姿はまだ見えない。
着地して炎の翼をしまったカナとゾロが急いで湖へと近寄る。
ゾロ「おい、あいつらまだか!?」
カナ「A!ルフィ!」
するとそのとき、水面から水の翼を広げたAが勢いよく出てきた。
その腕には、ルフィの体をしっかりと抱えている。
カナ「ルフィ!A!」
上空へと舞いあがったAはゾロとカナの傍へとおりて翼をしまった。
『ルフィ!』
ゾロ「しっかりしろ!」
カナ「ルフィ!」
Aとゾロとカナが声をかけると、息を吹きかえしたルフィが水をゴボゴボ吐きだしながら言った。
ルフィ「じぬがど思っだああああ!」
カナ「あぁ、充分元気だね。」
ルフィは助かった瞬間から元気いっぱいだ。ゾロとAとカナはほっと一安心する。
しかし宝島が落下するとは、一体何が起きたのか。
302人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さきっち(プロフ) - ベルモットさん» この続編にアニメシリーズのURLを載せていますよ。2年後からですが…。お楽しみいただけたら幸いです (2021年1月12日 18時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - もし、よろしければアニメシリーズの方も投稿なさる事もあり得ますか?ご投稿なさった場合は読みに行きたいと思っています。 (2021年1月12日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - こんにちは、ストロングワールド編から、読み始めました。文章の繊細さ、語彙力の高さなど、尊敬したい部分がいっぱいでした。楽しく読ませて頂きました。 (2021年1月12日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - Mさん» 普通の原作沿いも最近書きたいなぁと思っております!コメントありがとうございます!! (2020年8月18日 20時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - 人見知りのヌーさん» そうなんですか!?初コメが私なんかの作品でよろしいのでしょうか……?(汗)頑張ります!! (2020年8月18日 20時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さきっち | 作成日時:2020年7月13日 1時