【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ6)

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カナ「もう無理……!」

フランキー「おい、カナ!」

フランキーの呼びとめる声を無視して、カナは炎の翼を広げるとファンの元へと急下降して、ルフィを拾い上げると、強引に連れ戻す。

カナ「(Aに任されてるんだから……!)」

それにこんなにボロボロの船長の姿なんて黙って見てられない。

フランキー「───ムチャすんな!」

カナ「そうよ、ルフィ!Aが見たら、何て思うか……!」

ルフィ「まだだ……おれは、あきらめねェ!Aが……あいつが待ってるからっ!」

別れ際に笑い合ったAにもう一度会うために。
ボロボロになりながら再度、挑もうとしたルフィの肩に、手がおかれた。
ルフィはその手の主に噛みつく。「おれは……！」
だが「わかってる」と言われて、目を丸くした。

マックス「負け犬になりさがった……」

ルフィ「？」

マックス「ツキが落ちたおれだが。もう一度だけ賭けたくなった。おまえにだ……麦わら坊主。いや、モンキー・D・ルフィ。」

マックスは、一歩、前に出た。

ルフィ「おっさん……？」

カナ「どうするつもり？」

マックス「あの羽根のあいだを通り抜けられれば、下でファンを停止できる。こいつはギャンブルとおなじ……回転を見切ってやる……!」

巨大な換気ファンを見おろす。
彼には、それはロケットマシンのドラムに見えたのか、それともルーレットか。
目押しで望んだ絵柄をそろえ、望んだ数字にルーレットの玉を入れることができる一流のギャンブラーにとって、ファンの回転の隙間を狙うことは───

不可能ではない。

チッ、チッ……小さく舌打ちしながらタイミングを計る。

マックス「いまだ!」

マックスは換気口に身を投じた。
空気抵抗で速度を調整しながら、まっすぐにファンの隙間を───

ガンッ!

換気塔に、鈍い音が響いた。