【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ5)

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下甲板、通気口。
襲いくる黄金蝙蝠(ゴールデンバット)を倒しつつ、ルフィとフランキーとカナは進撃した。

フランキー「ちっ……何匹いやがる。」

左腕のマシンガンで撃墜していくが、敵は闇の支配者だ。明かりなどない通気口のなかでは、フランキーの照明(ライト)とカナの炎がたよりだった。

カナ「“炎竜の鉄拳”!」

炎を纏ったカナの拳が黄金蝙蝠(ゴールデンバット)に当たる。地面に落ちる蝙蝠(コウモリ)を一瞥して、カナは次に来る敵に備え拳を握り締めた。

───ぎゃあ!

悲鳴があがった。
あとにつづいてきた囚人たちのひとりが、黄金蝙蝠(ゴールデンバット)に捕獲されてしまった。

ギュルンッ! ゴムの脚が黄金蝙蝠(ゴールデンバット)を蹴りあげる。たまらず蝙蝠(コウモリ)は囚人を落とした。

ルフィ「大丈夫か!?」

「あ、ああ……」

ルフィ「……行くぞ。」

ルフィは先を急ぐ。もう、ゾロの処刑まで時間がない。
暗闇のなかをカナの炎で照らしながら進むと、行く手に明かりが見えた。

ゴォオオオオオオ…………………………!

巨大な縦穴───換気塔だった。

フランキー「でっけェ喚起ファンだ……」

フランキーは穴をのぞきこんだ。
直径数十メートルの換気塔と、おなじ大きさの送風羽(ファン)が回転していた。

マックス「あのファンの下が船底……ポンプ室だ。」

マックスがいった。やけに船内構造に詳しいのは……もしかすると彼がこのグラン・テゾーロに来たのは、革命軍がらみの仕事だったのかもしれない。

マックス「───あのファンはテゾーロの罠(トラップ)だ。海楼石でできてるから能力は効かねェ。覇気で壊すこともできねェ。」

ルフィ「うォおおお!」

ルフィは迷わず換気塔にダイブした。
黄金で固められた腕をファンに叩きつける。だが───

ルフィ「がはっ!」

カナ「ルフィ!」

たちまち猛回転するファンにはじかれて、換気塔の壁に激突してしまった。

ガンッ!ガンッ!ガンッ!

「おれは……」ルフィは、ゾロを助けるために。「あきらめねェ!」
何度でも───だが海楼石のファンはびくともせず、ルフィをはじきかえした。

カナ「ったく……」

そんな姿のルフィを見て、カナの頭にAが残した言葉がよぎった。

───ルフィのこと頼むよ？

ルフィのこんな姿を見たらAはなんて思うだろうか。悲しむ？それとも仕方ないなって笑う？いや、あいつは……仕方ないなって笑いながら悲しそうな瞳をするんだ。