【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ4)

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スイートエリア。
テゾーロの命令で、大金庫につづく破壊された扉の警備にあたっていたガードマンたちの前にあらわれたのは、思いがけない相手だった。

「カ……カマエル聖!」

「聞いたゾえ～!」獣にまたがった天竜人───カマエル聖がつめよった。「どういうことかえ～!わしのカネを狙って賊が入ったというのは本当かえ～。」

夫人「なにをやっているアマス!」

夫人「これだから下々民は!」

夫人たちが問いつめる。
カジノの黒服であれば荒事には慣れている。だが天竜人となれば話が別だ。世界貴族は、どんな金持ちでも奴隷におとすことができる。機嫌をそこねるわけにはいかない。
身分の差とは、この世に生まれたときから定められているからだ。

「もうしわけありません!賊……侵入者は、いま捜索中でして。」

「大金庫には指一本、ふれさせておりません!どうかご安心を。」

ガードマンたちは汗ジトで弁明した。
「だめゾえ～!」カマエル聖が寄声をあげた。「おまえたちは信用できないゾえ～!いますぐ大金庫から離れるゾえ～!」

夫人「従わぬとは……さては、おまえたちも賊の仲間アマスね？」

夫人「それとも、わちきたちが、まちがっているとでも？」

焦れた夫人たちが嵩にかかって責めると、ガードマンたちは青くなった。テゾーロの命令は絶対だが、天竜人に逆らえば、ここで無礼討ちにされてしまう。

衛兵「おまえたち、天竜人に逆らう気か。」

全身鎧の衛兵が武器をむけた。

奴隷「あらあら……」

奴隷「そんなことしたら、どうなるか……」

幸薄そうな首輪奴隷の美女たちがチカラなくつぶやいた……。

ガイコツ「おわかりですか～？ヨホ!ヨホホホ(・・・・)!」

ダメ押しで、ケバケバしい邪神のごとき衣装をまとったガイコツの、エキセントリックな声が響きわたる。
ガードマンたちはいよいよ顔色をなくして、逃げるように持ち場を離れていった。

さて───
この天竜人一行は、もちろん(・・・・)〈麦わらの一味〉の変装だ。
カマエル聖はウソップ、夫人はナミとカリーナ、乗っていた獣はチョッパーで、全身鎧の衛兵はサンジ、奴隷美女はAとロビン、そしてブルックは……。

ブルック「わたし、だれなんですか、いったい？」

だれに変装したのかはわからないのだが、とにかくガードマンを追い払った。本物の天竜人たちはハイパースイートでおやすみしてもらっている。

『やるしかない……!ゾロの処刑まで時間がない!』

時計を確認し、Aたちは螺旋階段を駆けあがった。