【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ28)

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エピローグページ28

“絶対聖域”

〈黄金帝〉ギルド・テゾーロが築いたすべてが、終末へのカウントダウンを刻んでいた。
観光客たちを乗せた豪華客船。
リッカとテンポの兄弟、ステーキ屋の店主、レイズ・マックスと囚人たち、天竜人───みな船という船に便乗して、滅びゆく国から脱出する。
ルフィたちの〈サウザンドサニー号〉も。

ナミ「…………」

甲板で、ナミは───明け白む水平線にむけて遠ざかっていく〈グラン・テゾーロ号〉を見送る。

3…………2…………1…………

カウントダウンの数字はゼロに。
───

〈グラン・テゾーロ号〉から打ちあがったのは、爆発───ではない。

花火……？

ウソップ「! なんで!」

ウソップは望遠鏡をのぞいた。そこには───

***

〈グラン・テゾーロ号〉に旗がひるがえる。

───『怪盗カリーナ参上!』

あのときと、おなじ。
昔、ナミを助けたときと、おなじ旗が巨大船にひるがえっていた。

「あいつ……やりやがった!」ウソップが興奮して叫んだ。「船ごとテゾーロマネーを盗んでいきやがった!」

その言葉で、仲間たちは気づいた。

すべては───

ロビン「黄金が狙いだったのね……!わたしたちはテゾーロを倒すために、まんまとカリーナ(かのじょ)につかわれた。」

ロビンが息をついた。

カナ「いい性格してるよ、っんとに。」

カナが苦笑いをする。
巨大な二頭の亀に牽かれて、〈グラン・テゾーロ号〉は遠ざかっていく。
あのカウントダウンも、自爆装置も、カリーナの嘘(ハッタリ)だったのだろう。

ルフィ「なんだ……おれたち、騙されたのか。」

ダメージから回復したルフィは、シシシ、と楽しそうにAに向かって笑った。
それを受けたAも呆れたように笑みを浮かべる。

『そうみたいだね……』

ドーン!

砲声もろとも水柱が立ちあがった。

ウソップ「うお～～～!海軍がいやがったんだ!」

ウソップが悲鳴をあげた。

ルフィ「よ～し!野郎ども……逃げるぞ!」

船長の声で、仲間たちは持ち場に走る。
操舵室にあがろうとするナミの横を通ろうとしたAが、彼女のオレンジの髪に手を伸ばした。

『ナミ、なにつけてんの？』

ナミ「え？」

梳くように髪を撫でて、髪に挟まっていた紙切れを取って、ひらく。
さっき、抱きつかれたときだ。

『ははっ!やるねェ、カリーナ。』

ナミ「あの女狐……!」

楽しそうに笑うAの隣で小さくつぶやくと、最後に一度だけ〈グラン・テゾーロ号〉を見やった。

───女の子は嘘と知恵で生き抜かないとね♡ カリーナ