【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ23)

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彼は……天竜人を憎んできた。
悔しいからだ。自分を奴隷(モノ)扱いされたことが。愛するすべてだったステラを買われたことが。
だから…………
黄金のチカラで、彼だけの、このグラン・テゾーロを築いた。
カネのない者は救われない国を。カネで愛も、自由も、すべてを奪うシステムを。

テゾーロ「おれが……そっくりだと……？」

彼が、もっとも恨み、憎んでいる天竜人に。

ルフィ「その手を……放せ!」

テゾーロ「!」

記憶がゆさぶられる。
ルフィの一言一句は、ギルド・テゾーロのいらだちを頂点に高めた。

ぜったいに、この男は潰す。

テゾーロ「仲間を助ける……？カネのないやつが……誰かを!愛する者を守れるわけねェだろうがァ!」

それが黄金律(ルール)。
ステラを守れなかったテゾーロ自身こそが、この黄金のグラン・テゾーロのはじまりなのだ。
もし、それが覆されたなら……それは終わりなのだ……!

黄金帝は吠えた。

テゾーロ「笑え!笑えといったら、笑え!おれのモノをどうしようとおれの……自由だ!そうだろうカリーナ？」

腕を掲げ、黄金巨神テゾーロは、そのままAをカリーナとナミめがけて投げつけた。

ガッ───

ナミ,カリーナ「『！』」

猛然とダッシュしたルフィが、Aとナミとカリーナの体にゴムの腕をまきつけ、衝撃をやわらげながら三人を救出した。
だがテゾーロは見逃さない。そのままルフィたちめがけて拳をふりおとす。

ルフィ「ロビ～～～ン!」

叫びながら、ルフィはゴムのチカラで三人を投げた。
ルフィは黄金巨神の拳で地面に打ちつけられる。Aとナミとカリーナは───だが、スピードがつきすぎていた。そのまま叩きつけられれば、ただではすまない。

ロビン「“スパイダーネット”!」

ロビンが『ハナハナの実』の能力で発現した。無数に咲いた腕が、それぞれの腕をつかみ網(ネット)になっていく。
“スパイダーネット”がクッションになり、Aとナミとカリーナは救出された。

テゾーロ「ちっ……!なにっ!?」

舌打ちしたテゾーロは、直後、違和感をおぼえた。

ビキッ…………

黄金巨神の拳がルフィを叩き潰したはずの地面に、亀裂が縦横に走った。
甲板に破壊されて、あちこちで崩落が起きる。さらに黄金巨神の拳が───メリメリと地面から持ちあげられていく。

「おれの仲間は……」ルフィの声だ。「モノじゃねェ!」

───“ギア4(フォース)”