【ルフィ】麦わらの歌姫-６- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ15)

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第四幕　黄金の夢ページ15

ギルド・テゾーロは、手を掲げるとステージを殴りつけた。

テゾーロ「おれの前で(・・・・・)……笑うなァァァァァ!」

拳がフロアにめりこむ。
バリバリと空気が破れ、プラズマのごとき火花がほとばしった。衝撃もろとも天空劇場は光の奔流に覆われる。

振動と轟音───黄金の塔は、ついに崩壊をはじめた。

ステージの亀裂のあちこちから黄金の柱があがった。柱は溶け、液状化して観客席に襲いかかる。逃げ惑う観客たちは、悲鳴をあげながら黄金の濁流にのみこまれる。

テゾーロ「海水で金粉の呪縛が解けたから、なんだという……解けたなら、また縛ればいい!」

テゾーロは、ありったけの能力をこめた。
〈麦わらの一味〉は翻弄される。

ブルック「まずいっ!つかまれ……“風来噴射(クー・ド・ブー)”!」

ルフィ、ゾロ、ブルックを背負うと、フランキーがコーラエネルギーを噴射、宙に舞いあがった。

『ナミ来い!カナはカリーナを!』

カナ「了解!」

ナミ「A!」

Aは駆け寄ってきたナミを横抱きに抱え上げて、カナはカリーナを背負う。

『しっかりつかまってろよ……!“水孤竜(すいこりゅう)”!』

カナ「落ちないでね、カリーナ。“炎翼(えんよく)”!」

水と炎の翼を広げたAとカナが翼をバサッと動かして宙へと舞いあがる。
サンジは“空中歩行(スカイウォーク)”で。ウソップとチョッパーは、『ハナハナの実』で、“手の羽”を生やしてロビンが空にひきあげた。

テゾーロ「この街は、すべて、おれの意のまま!なにがおもしろいかは、おれが決める!」

ついにテゾーロは自身も黄金の塔にとりこまれた。
空から見れば、黄金塔はバターみたいに溶けて、そのまま甲板の下に沈んでいく。

ロビン「う……限界……」

ロビンが降下をはじめる。さすがに長時間、飛行することはできない。

ナミ「きゃあっ!」

『くっ……なんなんだよ、あれ!』

首にしがみつくナミを気遣いながらテゾーロの能力から逃れる。

カナ「さすが、覚醒した能力者ってとこ……？」

『“怪物”……か。』

ナミ「何よ？それ。」

問いかけてくるナミと隣を飛ぶカナとそれに背負われるカリーナからの視線にAはチラリと黄金の塔を振り返った。

『世界政府で言われているあいつの通り名だよ。時代が生んだ怪物だってね。』

カリーナ「怪物……」

カリーナは黄金の塔を振り返った。それをAとカナがチラリと見る。