【名探偵コナン】双子は美少女で名探偵と怪盗!? 純黒の悪夢 (ページ45)

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45話ページ45

クレーン車に押されたホイールの片側のレールを浮かせてわずかに傾いた。
が、すぐにズドンと元に戻り、その衝撃でクレーン車の上に鉄骨が落ちた。
運転席がグシャリとへしゃげ、さらにその上にガレキが崩れ落ち、土煙が巻き上がる。
煙に包まれたクレーン車は次の瞬間、爆発した。
サッカーボールも衝撃でしぼむと、ホイールはクレーン車の反対側へと傾き、ガレキと水族館の残骸に支えられて止まった───。

スタジアムに避難していた人々は、ギリギリで止まったホイールに歓声の声を上げた。
抱き合って座り込んだ園子と蘭も目の前で止まったホイールを呆然と見上げ、園子はフゥ……と息をついた。

サウスホイールのゴンドラの上から見ていた安室は、ノースホイールが完全に止まったのを見届けるとフッと微笑んだ。

安室「なんて子らだ……本当にこの巨大な観覧車を止めるとは……」

晴れ晴れとした表情でつぶやいた安室は、髪をかき上げながら夜空を見上げた。

コナンと愛梨と赤井はしぼんだサッカーボールの上でレールにつかまっていた。
ホイールのそばで燃えているクレーン車を見下ろす。
クレーン車がホイールを横から押してくれなかったら、あのままスタジアムに突っ込んでいただろう。

コナン「あのクレーン車……一体誰が……」

コナンと愛梨がフゥ……と息をつくと、

赤井「よくやったな、ボウヤたち」

赤井はコナンと愛梨を見てニヤリと笑った。

愛梨「う、うん……」

微笑を返した愛梨は、再び炎上するクレーン車を見つめた。

電気が復旧した東都水族館には、何十台ものパトカー、救急車、そして消防車が駆けつけた。
上空には警察のヘリコプターが飛び、海上にも警察の船舶が泊まっている。
ホイールが止まった水族館の周りはバリケードテープで封鎖され、その手前に待機していた救急車の一台に、白い布がかぶさったストレッチャーが運び込まれようとしていた。
コナンと愛梨と灰原が駆け寄ると、部下に両側から支えられた風見がストレッチャーに近づいた。

風見「待ってくれ。遺体の確認がしたい」

警察手帳を見せられた救急隊員は、困惑した表情でストレッチャーを止めた。

「構いませんが、身元が判別できる状態ではありませんよ」

そう言って、白い布を少し持ち上げる。
黒焦げになった遺体の一部を見せられた風見は一瞬顔をしかめた。

風見「わかった。ご苦労。行ってくれ」

救急隊員が白い布を戻したとき───ストレッチャーから何かが落ちた。