【ルフィ】麦わらの歌姫-4- 【ONE PIECE】【映画沿い】 (ページ3)

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そこに〈麦わらの一味〉の仲間たちが駆けつけた。

ゾロ「……」

サンジ「ったく、ギリギリの戦い、してくれるぜ。」

ネオ海軍の幹部を倒して合流したゾロとサンジが、船長の戦いぶりに、あきれはてるほどの敬意を表した。

カナ「まったく、うちの船長はハラハラさせるんだから……」

『ふふっ……でもルフィらしいじゃない。』

カナとAは先に駆け出した仲間の後を追いながら、呆れたようにそれでも笑顔で船長を見た。
柔らかい眼差しでふたりは船長を見つめる。

ルフィは、どうにか自力で立ちあがった。
Zは肘を支えに、体を起こす。

ルフィとZの戦いは、両者ノックダウン。

しかしネオ海軍の戦いは敗北に終わったようだ。おそらく火山の中腹に展開していた部隊は、海軍に制圧されたのだろう。Zと幹部たちが応戦する予定だったが、〈麦わらの一味〉の乱入によって戦力が分散してしまい、海軍をくいとめきれなかったのだ。

Z「海賊王が、夢か……夢を追う者は、すべてを蹴散らして進んでいくものだ。帽子と、おれの命を持っていけ。」

海賊を憎むZの表情は、決して、ゆるむことはなかった。

『ほら、ルフィ。』

ルフィ「ん？」

ぽすっとAは背後からルフィの頭に麦わら帽子をかぶせた。
慣れた重みにルフィは、やっと、ごきげんになった。
そして帽子を持ってきたAを振り返る。

『ん？』

戦いの最中、自分にチカラを与えてくれるのはいつだって愛しい女だ。

ルフィはAの頬を撫でて、愛おしそうに目を細めると自分を見上げる彼女の額に軽く唇を落とした。ちゅっとなったリップ音にAは額を押さえながら顔を赤く染める。

ルフィ「ありがとな、A!」

『……？』

離れていても心のどこかにAの存在がある。Aが支えてくれる。Aがチカラをくれる。

そんな思いを含めたありがとうの意味にAは気づいていないが、どこか満足そうなルフィの表情に頬を緩めた。

ルフィ「帽子はかえしてもらう!でも、おまえの命なんかいらねェ……もう気ィ済んだ。」

若い海賊の態度に、Zはあぜんとする。

Z「敵に、情けをかけるから復讐されるんだ……!」

Zは───ゼファーは、失った妻子を思いかえし、過去を重ねる。

ルフィ「おうっ!覚悟はしとくよ……ドンとこい!」

Z「バカだ、おまえは……老兵のいうことは聞くもんだ。」

ルフィ「？まだ、やるならつきあうぞ。」

Z「いや……おれも気が済んだ。」

ゼファーは答えた。