10話 ページ7
阿久津「ではテスト3時間目、試験開始」
阿久津先生の言葉を合図にみんなが一斉に問題用紙を裏返す。
隣のはじめちゃんは開始早々眠たそうに欠伸を溢して、机に寝そべった。
あたしの方に顔を向けているので、あたしは目を瞑っているその顔を横目で睨みつける。
こんな奴は放っておいて集中しようとしたその時、何処からか音楽が聞こえてきた。
一「子守唄か……ちょうどいいや」
はじめちゃんの言葉にあぁ、子守唄か…と納得しかけたその時。
あたしはハッと顔を上げた。
一「『子守唄？』」
それははじめちゃんも同じだったらしい。
そのすぐ後、「きゃあああ」と悲鳴が聞こえて、あたしたちはその方向を振り返った。
すぐにはじめちゃんと顔を見合わせる。
『はじめちゃん』
一「ああ」
頷いてあたしたちは立ち上がると先生の呼び止める声を無視して悲鳴が聞こえた方へと向かった。
音楽が聞こえる方へと向かう。
階段を上って角を曲がっていくと音楽が大きく聞こえてきて、あたしは『あの部屋よ!』とついてきていた皆を振り返って指差した。
すぐにみんなでそこに向かって、はじめちゃんがドアを開けようとドアノブを回す。
一「鍵がかかってる…。全員で体当たりするんだ!」
はじめちゃんの声に頷いて体当たりを数回。
それでもなかなか開かなくて、
『下がってて!』
みんなを下がらせると思い切りドアを蹴り開けた。
「さすが空手優勝者」と溢すはじめちゃんを一瞥して部屋へと入る。
目の前には首を吊っている仁藤の姿。
一「仁藤…」
視線を巡らすと床に小野先生が倒れていた。
すぐにはじめちゃんと美雪が駆け寄る。
一「先生!小野先生!!先生!」
はじめちゃんにゆすぶられて先生は目を覚ました。
小野「金田一君…」
美雪「先生、大丈夫ですか？」
美雪が声をかけると、先生は「頭が…」と言いながら起き上がった。
それを見て安堵の息を吐くと、あたしは壁へと視線を向ける。
『また地獄の子守唄ね』
あたしの声にみんなが壁に視線を向けた。
血文字で書かれているそれ。
美雪「恨みの子守唄を聞け 過去の悲しみいまだいえず 地獄の子守唄」
美雪が読み上げる。
あたしは壁から視線を外して、床に落ちている答案用紙を拾い上げた。
血文字で書かれているそれをあたしの隣に来たはじめちゃんが覗き込む。
一「『“リ”……。コモリ……』」
あたしははじめちゃんと顔を見合わせた。
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (
レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません！ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか？教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年11月29日 19時
