9話 ページ6
翌朝。
美雪が先に行くというので、あたしははじめちゃんと一緒に向かった。
クラスについてすぐ、黒板を見てはじめちゃんは声を上げる。
一「数学一斉テストぉ!?俺、そんなの聞いてないよ!」
『言わなかったっけ？』
一「えっ？」
腕を組んでそう言うあたしにはじめちゃんが間抜けな顔をした時、後ろから古谷君が来た。
古谷「特別クラスは3日に一度、試験があるんだ」
その言葉に頷いていると、
一「A」
『ん？』
一「俺帰るわ」
帰ろうとするはじめちゃんのリュックを『ダーメ』と掴んで、『ホイ!』と教室の中に押し込んだ。
SHR中ずっと死んだような顔をしているはじめちゃんを頬杖をついて横目でニヤニヤと見つめた後、あたしはテキストを見ながら机に何かを書き込んでいるはじめちゃんの元に小野先生と一緒に近寄った。
こいつ、カンニングするつもりだな？
小野「金田一君？」
一「今忙しいんだよ」
そう言って視線を机に戻したはじめちゃんだけど、声をかけたのが先生と気付いたはじめちゃんは「あ、いや!」と慌てたように鉛筆をテキストに挟んで閉じた。
あたしは小野先生の後ろで腕を組みながら笑みを浮かべる。
小野「そんなことしても無駄よ。早くカード引いてらっしゃい」
『カンニング防止のために、テストは毎時間カードで決めるんだって』
一「…ってことは、3時間とも全部席が変わっちゃうってわけ？」
『冴えてるじゃん!』
確認するようにあたしを振り返るはじめちゃんにニコリと笑みを浮かべてはじめちゃんの頭を軽く小突くと、彼は不貞腐れたようにテキストを後ろに投げ捨てた。
席をカードで決めて、決まった席へと座ってすぐに小野先生が解答用紙を配り始める。
はじめちゃんは室井の前みたいだ。
あたしは廊下側の席の一番後ろ。
美雪は窓際の一番前だ。
小野先生はテストを配り終わると、教壇の前へと立った。
小野「では、始めてください」
その言葉を合図に皆が質問用紙を裏返して始める。
ある程度解いた時、ふと前を見るとはじめちゃんが机に寝そべっていて、後ろの室井がはじめちゃんのテストをカンニングしていた。
うわああ、室井可哀相。
はじめちゃんのテストカンニングしたって点数悪いのに。←
時間は過ぎて行き、やっと3時間目の最終テストを迎えた。
一「やっと3時間目だよ……」
『お願いだから鉛筆は静かに転がしてね？』
さっき小野先生に注意されてたの見てたんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (
レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません！ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか？教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2019年11月29日 19時
