6話 ページ50
おっさんがコンコンと取っ手を叩くが、出てくる気配がない。
「入ってみようか」というおっさんの言葉に頷いてはじめちゃんが扉を開けて入っていく。
中を確認した彼が手招きしたのを見てあたしたちも中へと入った。
『すいませーん。どなたかいらっしゃいますか?』
そう呼びかけても誰も返事をしない。
一「何だよ、誰もいねえのかよ」
はじめちゃんがそう零すと彼の顎にかけられた指ではじめちゃんの顔が横へと向けられた。
いつの間にかあたしたちの隣にいた執事服の人。
「お待ちしておりました」
あたしたちは目を合わせて居住まいを正した。
「レッドラム様から承っております。どうぞ、こちらへ」
そう言って歩いていく、執事さんにあたしとはじめちゃんと美雪は思わずおっさんを振り返った。
おっさんに宥められるように肩を叩かれてはじめちゃんを先頭に歩きだす。
緑色と赤色の蛍光灯が照らす廊下を執事さんについてゆっくりと歩く。
怖がる美雪の手を引っ張ってあたしもはじめちゃんにしがみつくように足を進める。
時々振り返る彼にあたしたちも思わず足を止めた。
ちょっと、怖い…。
一つのドアへと入ると、すでに参加者は集まっていた。
すると───
美雪「ねえ!」
『ん?』
美雪に肩を叩かれて振り返ると、美雪は帽子をかぶって座っている女性を指差した。
美雪「あの人…推理作家の多岐川かほるよ」
多岐川さんはあたしたちを一瞥するとすぐに視線を戻した。
へえ、推理作家ってことはお父さんと一緒か。
「皆さま、当バルト城へようこそいらっしゃいました。私、皆さまのお世話を致します、南山と申します。それではまず、客室をご案内いたしましょう」
南山さんは背後にある地図を手でさしながら説明してくれた。
南山「現在、私たちがいるのがここになります。多岐川様、銭形様、剣持様、金田一様、鈴蘭様、七瀬様はこちらのお部屋になります。それから当麻様、リチャード様、坂東様、山田様、マリア様、真
木目様はこちらの、青い塔のこのお部屋になります」
あたしたちはとりあえず、赤の塔の部屋へと案内された。
狭い廊下からぐるりと見渡していると、美雪があたしの腕を掴んできた。
美雪「本当に吸血がいそうなお城ね…」
一「脅かすなよぉ」
『本当に』
南山「皆さまのお部屋は!」
南山さんが言うのであたしたちは急いで戻った。
南山「こちらのお部屋になります」
一「うっひゃ〜まるで牢屋じゃん!」
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません!ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか?教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年11月29日 19時