5話 ページ49
そして荷物を持ったミステリーナイト1日目。
おっさんが運転する車であたしたちは道を進んでいた。
あまり車通りの少ない山道を進む。
美雪「どうして信州の山奥にお城なんて移築したんですか？」
助手席に座っている美雪がおっさんに尋ねる。
剣持「25年ほど前、中世ドイツの街を再現しようと、まあいわゆるテーマパークを開く計画があったんだよ。それでわざわざ城を移築したんだが、その開発会社の倒産で計画が中止になってしまってね。お城だけが残ったんだ」
一「ふーん。それにしてもずいぶん山奥だな」
後部座席、あたしの隣に座っていたはじめちゃんが辺りを見回しながらそう言ってきたので頷く。
すると前方に濃い霧なのが出てきて、おっさんはいったん車を停めるとゆっくりと動き出した。
道なのかわからない所を進んで行く。
『道…間違えたんじゃないの？』
剣持「いやそんなはずはない」
するとおっさんが急に車を停めた。
前のめりに前方を見ていたはじめちゃんとあたしが前の席に突っ込んで体をぶつける。
思い切り打った肩を擦るあたしに美雪が心配そうに声をかけてくれる中、はじめちゃんがおっさんに問いかけた。
一「どうしたの？」
剣持「道がない…」
一,美雪「『え？』」
あたしたちは自分の旅行鞄を持って車からいったん出た。
車の前方で足を止めて辺りを見回していると、急にはじめちゃんが鞄を落としてあたしに抱き着いてきた。
『何!?』
「あれあれ」と指差すはじめちゃんの方向を見ると、一人の女性が立っていた。
一「出たああ!!」
悲鳴をあげたはじめちゃんと美雪が急いで車に戻ろうと踵を返すと同時に聞こえてきた「待ッテクダサイ!」というたどたどしい日本語。
「ワタシ、城ヘ行キタイ」
恐る恐る顔を見合わすはじめちゃんと美雪を一瞥しておっさんが問いかける。
剣持「あなたもミステリーナイトツアーの参加者ですか？」
「ハイ。道ニ迷ッテシマイマシタ」
一「こう…霧が深くちゃなぁ…」
そう言いながらあたしの右隣に並ぶはじめちゃん。
するとあたしの左隣に来た美雪が前方を指差した。
美雪「ねえ!あれそうじゃない？」
『ん？』
小さく見えたお城。
あたしたちは徒歩でそこへ向かうことにした。
城についたのは辺りが暗くなってからだった。
並んで呆然と見上げているとおっさんが呟いた。
剣持「死霊の住処、蝋人形城か…そう呼ばれているそうだ」
一「『蝋人形城…』」
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (
レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません！ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか？教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年11月29日 19時
