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9話 ページ32

あたしたちはその後、美雪を連れて再び開かずの間へと来ていた。
扉の近くではじめちゃんと警部が考えているのを横目にあたしは美雪と一緒に鉄格子を掴みながら遠くの景色を見る。
まあ、美雪は下を見ていたけどさすがにあたしも下を見たら気分が悪くなるので遠くの景色を見ることにした。



一「抜け穴もなしと…」


剣持「何のカラクリもなしと…」



2人がそう呟くのを聞きながら景色を見る。
すると───



一「A…」


『ん?』


一「落ち着いて行動しろよ」


『なに?』



片手を出しながらそう言うはじめちゃんにあたしは鉄格子を掴みながら振り返った。
だけどはじめちゃんは声をあげてそれを制止する。



一「ああっ動いちゃダメ動いちゃダメ」



その声を聞いてあたしは急いで顔を前へと戻した。
すると美雪が恐る恐るあたしから離れていく。


え…何?
何かあるの!?



一「あのな…」


『うん』


一「Aの、肩のところにな」


『肩のところ…』



そう言いながら振り返ると、毛虫が天井からぶら下がってきていて。
あたしは思わず鉄格子を掴んだまま、



『きゃあっ!!』



それを払い落としてしまった。
掴んだままだったので鉄格子が抜けてしまい、それを見たはじめちゃんと警部と美雪が目を丸くする。



一「ありゃ…」


剣持「あれ?」


美雪「さーちゃん…」


『折れちゃった……』



みんなと視線を合わせたその後。
はじめちゃんがあたしから鉄格子を取り上げて急いで元の場所にはめようとしてくれた。



一「お前、なんつー馬鹿力っ。やばいよお前っ」


『ちが…っ!』



だけど───



一「あれ…?これ折れたんじゃないよ。回すと外れるように細工してあったんだ」


剣持「もしかして他の鉄格子も」



警部がそう言うのを聞いてあたしたちは急いで他の鉄格子を確認した。
だけどその一本以外外れることはなくて。



剣持「ダメだ。外れるのはその一本だけだ」



外れた間からはじめちゃんが外をのぞきこむ。



一「これじゃあ、普通の体格の人間じゃ肩が通らないな」


剣持「何とか通ったとしても…」



あたし以外の皆が鉄格子の隙間から下を覗き込む。
そんな中、あたしは不意に横を向いた。
その時、庭木の枝を枝切り鋏で切っている猿彦さんが見えた。
だけどその違和感にあたしは隣にいたはじめちゃんの服をひっぱる。



『はじめちゃん…』


一「ん?」



ん、と指を指す方向に視線を向けたはじめちゃんも違和感に眉を寄せた。

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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません!ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか?教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2019年11月29日 19時

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