6話 ページ3
「先生!どうして怒らないんですか!?書いた人をちゃんと探してください!!」
そんな言葉に反応することなく先生は笑みを浮かべて皆の方を振り返った。
小野「今日から夏期講習に参加する金田一君と鈴蘭さんと七瀬さんと真壁君です。みんな仲良くしてね」
「んなことよりみんな勉強したいってよ……な?」
さっき殴りかかろうとしてきた子がそう言うと先生は眉を下げて悲しそうに視線をそらした。
恨みを買ってるってのは…本当みたい。
思わずクラスの現状にはじめちゃんたちと顔を見合わせていると、男の先生がドアから顔を出した。
「小野先生、大変です!また鶏が…!」
小野「え!?」
急いで小野先生が出て行くと、古谷君たちも立ちあがる。
あたしたちも顔を見合わせてすぐに先生の後を追った。
廊下を駆け抜けて、入った体育準備室の床に広がる答案用紙と天井から吊るされている鶏の死体にあたしたちは呆然とそれを見上げた。
古谷君がしゃがんで答案用紙を見る。
文字は“モ”だった。
古谷「この前の数学の試験の時の答案だ」
あたしとはじめちゃんもそれを見ていると、
美雪「さーちゃん、はじめちゃん…!あれ……」
壁を指差す美雪の指を辿るように壁を見ると、血文字が書かれていた。
『恨み未だ晴れず 生け贄の血を以って供養とせよ 地獄の子守唄……』
一「地獄の子守唄…?」
あたしとはじめちゃんは顔を見合わせた。
その時、「何をやっとるんだ!」と校長先生と国語教師の阿久津先生が入ってきた。
そして校長先生が床に広がる答案用紙に声をあげる。
久米「誰がこんなことを…!」
「決まってんじゃねえかよ。答案管理してる野郎だよ」
先程の男の子の言葉に校長先生が小野先生を見る。
久米「小野先生…!」
小野先生は視線を逸らした。
それを見て先程の男の子が校長先生へと顔を向ける。
「先生。小野先生やめさせてもらえませんかね。この人が担任になってから碌な事ないんですよ。な?」
「そそ、そうです」
一緒にいた少し小太りの男に同意を求めると、彼もどもりながら返す。
すると、先程声をあげた女子生徒が「違うわ」と口を挟んだ。
みんながその子に視線を向ける。
「これは……深町君の呪いよ」
深町…?
久米「もう授業が始まってます!早く教室に戻りなさい!!」
阿久津「あぁ、ほら戻れ!ほら早く!」
先生に追い出される形でその部屋を出た。
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません!ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか?教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年11月29日 19時