2話 ページ46
『え、はじめちゃんが引っ越す？』
美雪「そう。え、聞いてないの？さーちゃん」
『聞いてない…』
美雪「え？」
驚いたように目を丸くする美雪に、あたしはすぐに踵を返して走り出した。
美雪「あ、ちょっとさーちゃん!」
美雪の飛び止める声が聞こえたけど、今は無視してあたしはすぐにはじめちゃんを捜しに校舎中を走り回った。
道行く知り合いにはじめちゃんを見なかったか聞いて、辿りついたのは何と女子更衣室の裏で。
そこには覗き穴から覗こうとしている真壁君と佐木君とはじめちゃんがいた。
何か覗く順番で揉めているけど。
佐木「第一発見者は僕ですよ!」
一「こういうのは先輩が先なの!天才高校生推理作家がそんなことしてていいのかよ!」
真壁「しーっ!おまえこそ、じいちゃんの名が泣くぞ」
一「じっちゃんはじっちゃん、俺は俺!」
佐木君と真壁君を強引に退かしたはじめちゃんが覗き穴を覗く。
それに不満の表情を浮かべていた真壁君と佐木君はあたしの姿を見つけるとそそくさとはじめちゃんを置いて逃げて行った。
だけどそれに気付かずにはじめちゃんは「うおーっ!すっげー!」とか言っている。
とりあえず、あの2人は後でシバくとして…今はこっちね。
あたしはずっと覗き穴を覗いているはじめちゃんの肩をポンポンと叩いた。
一「うるせっ!」
少しだけ振り向いてそう言ったはじめちゃんに思わず手が止まるけど、あたしはもう一度強く彼の肩を叩く。
一「だから…!」
振り向くはじめちゃんにあたしが顔を近づけて睨みつけると、はじめちゃんはあたしを見て顔を引きつらせた。
「えっと…これは…」と言い訳を口にしながら立ち上がるはじめちゃんにあわせてあたしも中腰の体勢から腰をあげる。
そして真正面からはじめちゃんを睨みつけた。
一「あのそうじゃなくて、この2人に強引に誘われまして……」
『ふふっ…どの2人？』
はじめちゃんの言葉に作り笑いで笑ったあとすぐに声を低くして言うと、はじめちゃんは「あ!」と辺りを見回した。
真壁君と佐木君なら逃げたわよ。
『ちょっと来なさい。聞きたいことがありますっ!』
一「痛い痛い!痛いです、ちょっと。お姉さん痛いです!」
はじめちゃんの耳を引っ張ってあたしはテニス部がテニスをやっている中庭までやってきた。
階段を下りる時に逃げないようにはじめちゃんのネクタイを引っ張りながら下りると、彼は「これも痛い」と小言をもらしていたがそんなの無視だ。
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (
レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません！ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか？教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2019年11月29日 19時
