3話 ページ26
猿彦さんに連れられて辿り着いたのは、でかいお屋敷で。
いかにも日本家屋と言った家だった。
周囲には何もない。
あたしとはじめちゃんと美雪はまたしてもそれを呆然とした様子で見て鞄を手から落とした。
なにこれ……。
美雪が周囲を見回す。
美雪「あれぇ?さっきの人は?」
美雪の声に前を見ると、先程の案内人の猿彦さんが姿を消していた。
「きゃあっ!」
剣持「柴乃さんっ」
聞こえてきた悲鳴にすぐに警部が屋敷の中へと駆けて行く。
あたしたちも急いで後を追った。
だが、家の中は迷路のように複雑な仕組みになっていて、すぐにはじめちゃんと美雪と警部を見失ってしまった。
『はじめちゃん!美雪!警部!』
声をあげながら色々な扉を開けていく。
廊下を駆けて行くと、はじめちゃんと警部と着物を着た女性が部屋にいて、あたしは急いでそこに駆け寄った。
恐らくこの女性が警部が言った柴乃さんという方だろう。
『はじめちゃん、警部!』
部屋に入ると、刀で斬られた障子の穴から、目が覗いていて、次いで少し開いた障子の間から鎧兜を着た人が此方を覗き込んですぐに去っていった。
脱力したように崩れ落ちる紫乃さんを警部が支えると、あたしとはじめちゃんは顔を見合わせてすぐに障子に駆け寄った。
バンッと思い切り障子を開け放つがそこには廊下と縁側があるだけで、誰もいなかった。
美雪「さーちゃん!はじめちゃん!」
すぐに横の扉から美雪が出てきてあたしたちに駆け寄ってくる。
すると、白い袴に身を包んだ男性が襖を開けて部屋に入ってきた。
「母さん、どうしたの!?」
柴乃「首狩り武者が…!」
柴乃さんが男性にそう言うと、襖の後ろにいた猫を抱いた可愛らしい女の子が「呪いよ」と呟く。
「首狩り武者さん。恨みを晴らしに来たのよ」
「馬鹿々々しい」
すぐに黒い袴に身を包んだ色黒の男の人が入ってきた。
「祭りの連中が迷いこんだんだろ」
剣持「迷い込んだ人がわざわざ刀を振り回したりするかね」
警部がそう言うと、色黒の男の人は持っていたお菓子を食べて、警部に近づいた。
「誰だおまえは」
剣持「脅迫状の件で東京から来た警視庁の剣持です」
あたしとはじめちゃんと美雪は警部の言葉に顔を見合わせた。
脅迫状…?
「警視庁…?」
「母さん…」
柴乃「剣持さんはわたくしの古くからの友人なの。剣持さん、驚かれたでしょう?いきなりこんな…」
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セレーナ - この作品も面白いわ^ ^名探偵コナンと暁のヨナの作品を早く更新して欲しいわ。頑張って (2020年2月8日 1時) (レス) id: a3d3399358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、もうはじめちゃんは、彼女ちゃんがいるのに、お姉さんナンパかあ、次回は楽しみにしてます (2019年12月21日 13時) (レス) id: 5c9701a404 (このIDを非表示/違反報告)
にー - 突然すみません!ここのお話とは関係ないのですが名探偵コナンはいつ頃更新されますか?教えてください (2019年12月7日 9時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年11月29日 19時