ひとりじゃない証-No.3- 【金田一少年の事件簿】初代実写版

2話 ページ49

『はいはい、どいたー。ちょっとごめんねー!』



掲示板に群がる生徒達を押し退けてあたしは美雪の手を引いて一番前へとやってきた。
知り合いの子に「ちょっとAー」と文句を言われたが聞こえないフリをして一番前を陣取る。
そしてあたしは目の前に貼られている成績結果を指差した。
そこには【1、七瀬美雪】の文字。
ちなみにあたしの成績は勿論、中間だ。


やっぱ勉強しないで寝てたのが効いたな。



『見てホラ。美雪やったじゃん、またトップだよ』



曖昧に頷く美雪。
その時、横からはじめちゃんが現れた。
じっくりと目の前の成績結果を見ている。
はじめちゃんの名前なんかここにないよ。



『何してんの』


一「いや、今回のテストは手応えあったからな」



しみじみとうんうん頷いてそう言うはじめちゃんにあたしは思わず目を細めた。


へぇ〜、自信あったんだ。
開始早々寝てたくせに。



『そう…でも“ずっと”向こうで見たわよ、あんたの名前』


一「…へ？」



きょとんとするはじめちゃんにあたしが『ずっと向こう』と端の方を指差すと、はじめちゃんは自分の名前を探すように指を指しながら成績結果に群がる生徒達を押し退けて端の方へと進んで行く。
赤い文字で名前が書かれている場所、赤点者のところまで辿り着いて一番最後に【金田一一】と書かれている場所を見つけたみたいだ。



一「あちゃー、またここ…」



そんなはじめちゃんにあたしと美雪は顔を見合わせて苦笑を溢した。

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