14話 ページ30
はじめちゃんの言葉にクリス君のネクタイを掴む手を離す。
『容疑の目を他の誰かに向けさすつもりなら…もっと都合のいい時間を証言してるはずよ』
一「いずれにしろ船が来るまでの6日間、俺たちはこの島から出ることはできないんだ。…クリス、迂闊な発言は控えろ」
クリス「ごめんなさい」
はじめちゃんの言葉にクリス君はすぐに顔を逸らした。
それを見てみんながバラバラに散らばる。
あたしもはじめちゃんと一緒に銅像がある場所へと移動した。
美雪「クリス…気にしないで。元気出しなさい」
クリス「うん」
クリス君に声をかけた美雪が銅像の前で悩むあたしとはじめちゃんの方へと来る。
その後ろ姿を追うようにクリス君の視線が此方を向いた。
母屋から人がほとんどいなくなった頃。
はじめちゃんが屏風の前で悩み、美雪もその様子を見ている時、あたしは2人の元へとノートを持って駆け寄った。
『はじめちゃん!和歌の訳が出来たよ』
一「え?」
美雪「すごい、さーちゃん!」
古文とか文系は得意なんだよねぇ、あたし。
屏風の前で座り込むはじめちゃんの隣にしゃがみ込むと、美雪があたしの隣に座ってノートを覗き込んだ。
『いい?』と声をかけると2人が頷く。
『あなたのことを想って、長い夜をうらんでいるとやがて夜も明け、朱の鳥が鳴く時が訪れました。泪が枯れるまでなき、やがて悪魔の目が開いたら山童に守られている宝の元へ我々を導くでしょう』
一「やるじゃねぇか、A」
美雪「さーちゃん、こういうの得意よねぇ」
『まあね♪』
ニッコリ笑って答えるとはじめちゃんがあたしの手からノートを取った。
一「この訳から言うと」
美雪「うん」
一「あの魔の目っていうのが宝の隠し場所への入り口ってことになるな」
『たぶんね。ただ具体的な場所を示す言葉がどこにも見当たらないのよね』
一「この柿本が丸をつけている朱の鳥っていうのは?」
柿本さんのノートを見ていると、美雪が隣で「うらみてみれば朱の鳥…」と呟く。
「うらみてみれば…」と繰り返すように言うと、「あ、ねぇ!」と声を上げた。
すぐにあたしとはじめちゃんが顔を向ける。
美雪「うらみて見ればって確か…海辺の事じゃない?」
一「『それだ、美雪!』」
あたしたちは頷き合うとすぐに駆け出した。
道を走って海辺へと向かう。
美雪「ちょっとどこ行くのよ!」
急いで後を追ってくる美雪の言葉に返すことなく走る。
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、 - それに、夢主の言い方もなんか‥。一人称も「あたし」って‥ぶりっこって感じの女子って感じで‥。初期は見てないですけど‥。これ、見て、見る気萎えました。 (2022年4月30日 17時) (レス) id: 111bb78a66 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 誤字もあるし‥。はじめちゃんが言ってる台詞も夢主さんが言っててなんか‥。やっぱり、はじめちゃんが言ってる台詞ははじめちゃんが言ってるからいいんであって夢主が‥ってなると‥なんか‥。 (2022年4月30日 17時) (レス) id: 111bb78a66 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - +さん» 夢主の一人称はあたしで統一しているつもりですが、どこかに誤字がありましたか?読みにくいのは申し訳ございません。これでも書き方を変えたのですが。まだ読みにくいですか? (2022年4月28日 17時) (レス) @page1 id: 47ec2d84ad (このIDを非表示/違反報告)
+ - 夢主の一人称、「私」なのか「あたし」なのかどっちですか?私だったりあたしだったりと読みにくいです。どっちかにしてください。間をもう少しあけてみては?読みにくいです。 (2022年4月27日 17時) (レス) id: 3cf6d2002d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんぬ - 面白いです。初期のは無かったので凄く嬉しいです。お忙しいと思いますが更新頑張って下さい。 (2020年6月5日 11時) (レス) id: b4494ecc1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年10月12日 19時