-４- ページ10
煙草を吸う尊に手を引かれながらもう片方の手をアンナと繋いで町を歩く。
すると、何かを見つけたアンナがグイグイと私の手を引っ張った。
それに立ち止まった私に気付いた尊も立ち止まってアンナを振り返る。
アンナ「サヤカ、ミコト」
尊「あ？」
『ここって…』
アンナが私達を呼んで視線を向けた先を追うと私と華奈と八田ちゃんたちがよく遊びに来るゲームセンターで。
私と尊はアンナに手を引かれながら中へ入った。
たたっと小走りになるアンナについて行く。
アンナ「ここ楽しかった。前、ミサキたちと一緒に来た」
尊「どれで遊んだんだ」
アンナ「撃つと赤いの出るやつ」
え、何それ。
思わず目を細めてアンナを見下ろすと、尊がザッザッザッと店員に近寄っていった。
尊「こん中で一番血ィ見るやつどれだ」
「ヒッ」
威圧がそれほど強かったのだろう、店員さんが悲鳴を上げるとアンナが「ミコト!サヤカ!」と呼んだ。
視線を向けると、アンナが指を指していたのはクレーンゲームだった。
アンナ「今日はこれがしたい」
尊「ん」
尊に怯えきっている店員さんとその近くにいた子供たちに謝ってクレーンゲームを覗き込んでいる2人に駆け寄る。
アンナの上から覗き込むと、アンナは何ともいえない趣のあるクマを指差した。
「あれ。あの赤いのがいい」
あのクマ、怖くない？
アンナ、本当にあれでいいの？と問いかける前に尊がお金を入れてクレーンを動かしていた。
1回目は持ち上げたがクレーンが重さに耐えきれず上に持ち上げた途端ぬいぐるみが落ちて、2回目は掴むことすらできない。
尊「…しゃらくせぇ」
『これって結構難しいよねぇ』
あれ、取れないように細工してあるんだよねぇ。
3回目も取れることはなく、尊ははっと何かに気付いたようにクマのぬいぐるみとガラスを見ると、トンとガラスに手をついた。
その途端ビシッ…とヒビが入るガラスに、
「お客様!?お客様!!?」
店員さんからのストップの悲鳴が聞こえた。
私は慌てて尊をガラスから引き剥がして、お金を入れると慎重にクレーンを動かす。
そして、上手くコントールをしてクマをGET!
『はい、アンナ』
アンナ「ありがとう」
嬉しそうにアンナは笑った。
アンナ「サヤカ、得意なの？これ」
その言葉に思わず私は遠い目をした。
まぁ、華奈にせがまれて色々取ってたからね。
『他に欲しいのあったら取ってあげるよ？』
私がそう言うとアンナは周囲を見回した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルフィ(プロフ) - かなとさん» ちょっと言い過ぎなんじゃないですか？誰だって見落としたりすることはあるんですから違反報告なんてやりすぎです。あなたのその言葉で不快になってる人もいることわかってください。文句しか言わないなら見なければいいじゃないですか (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 6da2673d24 (このIDを非表示/違反報告)
シルフィ(プロフ) - この作品大好きです！！これからも更新頑張ってください！応援してます！さきっちさんの作品全部大好きです！ (2019年8月23日 1時) (レス) id: 6da2673d24 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - かなとさん» すいません、此方も色々と忙しい身で更新をしているので見落としてしまう部分もあります。そのつど報告をしてくれるのは大変嬉しいのですが…言葉遣いに気をつけてくださると嬉しいですね。見落としてしまったのはこちらの落ち度なので申し訳ありません (2019年8月23日 1時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - ルールを守る気も、でしたね。すみません。でもいい加減にして下さい (2019年8月23日 0時) (レス) id: b1d25bd6f7 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - ルールを作る気がないようなんで違反報告します。連続だと仕方ないですよね (2019年8月23日 0時) (レス) id: b1d25bd6f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月23日 0時
