-３- ページ9
尊も髪型をいつものように上げていつもの半袖に着替えて煙草を吸いながらソファに座る。
私はキッチンでお皿を洗っていた。
尊「…こんなモン撮っててもなんも変わり映えしねえだろ」
アンナはカメラを回すのが余程気に入ったらしく先程から私と尊の行動を撮り続けている。
そんな彼女に尊がそう言うと、アンナは首を傾げてカメラから顔を上げた。
私もそれにならって顔を上げて彼女を見ると、
アンナ「…じゃあ、おでかけしよう」
キラキラとした眼差しで私と尊を見る彼女の視線に負けて、私達は外に繰り出すことになった。
カメラを回して楽しそうに歩くアンナを真ん中にして3人で並んで歩く。
『ね、どこ行く？』
私がそう問いかけたその時、バッと黒い服を着た男の人たちが私達の前に現れた。
そしてバッと頭を下げる。
「周防さん、お勤めご苦労様っす」
尊「おう」
「今日はAさんも一緒なんすね!」
『こんにちはー』
こんな事尊と街を歩いていれば日常茶飯事なのでもう驚かない。
というか、尊とデートしていると必ずこれだ。
もう慣れだ、慣れ。
すると男の人は私達の間にいるアンナに視線を向けた。
「今日は娘さんも連れてデートっすか!?」
アンナ「デート…」
『娘って…』
男の人たちの言葉にアンナが呟くのを耳にしながら私と尊は思わず眉を顰めた。
この年で子供産んだら滅茶苦茶若いお母さんだよ。
出雲もよく言うけど、やっぱり親子に見えるのかぁ〜と遠い目を逸らしながらフッと笑う。
そして私と尊はスタスタスタとそこから歩き出した。
「ミコト、サヤカ、まって」と必死にアンナが追いかけて来て、後ろから男の人たちの「「いってらっしゃーい」」の声に私と尊は耳を貸さず、そそくさとそこから立ち去る。
アンナ「ミコト、サヤカ」
尊「あ？」
『何？』
私の服を摑みながら見上げてくるアンナ。
アンナ「これ、デート？」
尊「『…………』」
そんな彼女の言葉に尊と私は思わず固まった。
ま、まぁ尊と私が2人で歩いていたりしたらデートかもしれないけど、3人って…。
『……………したいの？』
こくんとアンナが一つ頷く。
尊「あ、そ」
もう何も言う気になれず私と尊はキラキラとした眼差しを送ってくるアンナに背を向けて歩き出した。
なんだろう、今日はやけに疲れる1日になりそうな気がする。
アンナ「今日はミコトとサヤカとデートです」
私達が背を向けた後、こしょこしょとアンナがカメラに向かって呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルフィ(プロフ) - かなとさん» ちょっと言い過ぎなんじゃないですか？誰だって見落としたりすることはあるんですから違反報告なんてやりすぎです。あなたのその言葉で不快になってる人もいることわかってください。文句しか言わないなら見なければいいじゃないですか (2019年8月23日 1時) (
レス) id: 6da2673d24 (このIDを非表示/違反報告)
シルフィ(プロフ) - この作品大好きです！！これからも更新頑張ってください！応援してます！さきっちさんの作品全部大好きです！ (2019年8月23日 1時) (レス) id: 6da2673d24 (このIDを非表示/違反報告)
さきっち(プロフ) - かなとさん» すいません、此方も色々と忙しい身で更新をしているので見落としてしまう部分もあります。そのつど報告をしてくれるのは大変嬉しいのですが…言葉遣いに気をつけてくださると嬉しいですね。見落としてしまったのはこちらの落ち度なので申し訳ありません (2019年8月23日 1時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - ルールを守る気も、でしたね。すみません。でもいい加減にして下さい (2019年8月23日 0時) (レス) id: b1d25bd6f7 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - ルールを作る気がないようなんで違反報告します。連続だと仕方ないですよね (2019年8月23日 0時) (レス) id: b1d25bd6f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2019年8月23日 0時
