14話 ページ47
剣持「それが、4つの異人館の主ですね」
時田「そうなんだ。ところが27年前、牧師夫婦が突然、麻薬の密売をやめようと…言い出したんだ。……当時牧師夫婦は女ばかり5人の女子を引き取り育てていた。その子たちのためにも罪深い行為で富を得るのはやめようと牧師夫婦は…至急してきた。我々は反対したのだが牧師は警察に通報するとまで言ってきたんだ」
時田さんは背後の木にすがりついた。
時田「そして……あの日。牧師夫婦を我々は撃ち殺してしまったんだ!…さらに、我々は残された5人の娘を生きたまま教会に閉じ込め……火を放ったんだ」
離れた場所で聞いていたあたしたちは思わず固唾を飲み込んだ。
時田「なんの罪もない娘たちを…この手で…焼き殺してしまったんだ…っ」
時田さんは胸を手で押さえたままゴホゴホッと咳をすると崩れ落ちた。
あたしたちは思わず時田さんの傍に駆け寄った。
『大丈夫ですか!?』
あたしが声をかけると、時田さんは此方を振り返った。
時田「……これを見てくれ!」
そう言って時田さんは被っていた目出し帽を脱いだ。
その下から出てきたのは顔中に大火傷を負った顔で。
あたしたちは目を見開いた。
時田「その時におった火傷だ。娘たちの泣き叫ぶ声を聞いて、私は動けなくなってしまったんだ…」
木にしがみつく時田さんを黙って見つめる。
時田「石とレンガで作られた教会の中で5人の娘たちが…蒸し焼きになり、ミイラとなった。ところが……焼き跡の中から出てきたミイラは…全て、体の一部が切り取られたかのように欠け落ちていたんだ。まるで…悪魔が持ち去ったかのように」
剣持「その時からすでに、体の一部がなくなっていたんですか?」
警部さんがそう聞くと、時田さんは必死に頷いた。
時田「我々は…ミイラを一体ずつ自分の館に持ち帰ることにした」
小田切「なぜそんなことを…」
時田「誰も裏切らぬようにだよ!罪の証であるミイラを持つことで、我々はお互いを見張っていたんだ」
しゃがみ込んだ姿勢から木を伝いながら立ち上がる時田さん。
時田「そして教会を修理し、我々は何事もなかったように過ごした」
時田さんは咳をしながら木から離れた。
時田「みんな…っゴホゴホッ…改心してきたんだ…この工場だって…」
そう言って背後にある工場に近づく。
時田「ずっと使っていなかったんだ!…ゴホゴホッ…それなのに…!」
そう言って横の物置に倒れ込む時田さん。
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さきっち(プロフ) - あさん» そうなんですか! (2019年12月7日 11時) (レス) id: f5cfe9f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 私は山ちゃんのが一番好きです!マンガ全巻持ってるんですが山ちゃんが一番似てる! (2019年12月7日 0時) (レス) id: 3f8f946044 (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - すみません、いろいろミスして何回も送っちゃいました!申し訳ないです (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
johnny’s_ldh_love(プロフ) - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 7時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
にーにゃ - 突然すみません!名探偵コナンっていつ頃更新しますか? (2019年12月2日 6時) (レス) id: 2e8392d2ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月28日 0時