ひとりじゃない証 【金田一少年の事件簿】初代実写版

11話 ページ12

不気味なそいつの姿にあたしは金田一君の服を摑んだ。
そしてそいつはゆっくりと両脇の扉を閉める。
それにあたしたちは顔を見合わせて、すぐに走り出した。
渡り廊下の階段を下りて、旧校舎のスライド式のドアを開けて目の前の角を曲がる。
そして階段を上ると、右に曲がって角を曲がり、すぐに開かずの間の扉についた。
金田一君とあたしが体をドアに押し付けながらドアを開けようとする。



『先輩!桜樹先輩!!』


一「鍵は!?」


雨宮「開かずの科学室だ。あるわけないだろう!」



あたしたちはそれに「『ちくしょう…』」と言うと先輩に呼びかけながらドアをドンドンと叩く。



浅野「どうかしたの金田一君!鈴蘭さん!!」



白衣姿の浅野先生がかけつけた。



雨宮「生徒が首吊られてるんだ!」


一「この中に放課後の魔術師がいるんだ!!」



するとみんなも集まって来た。



尾之上「皆、なにしてんの？」


羽田「コラァ!何してんだ、お前たち!」



するとすぐに体育教師の羽田先生と科学教師の的場先生がかけつけた。



『この中に放課後の魔術師がいるの!!』


羽田「あぁ？」


一「とりあえずこのドアぶち壊すんだよ!!」


『っ皆下がってて!!』



ドアの近くにいるみんなを下がらせて、あたしはふぅと短く息を吐くと、



『せいやぁっ!!』



回し蹴りでドアをぶち開けた。


空手の優勝者ナメるな!


扉は壊れ、金田一君と中に入ると、そこは蜘蛛の巣だらけのただの科学室だった。
桜樹先輩の姿などない。



佐木「何もありませんよ？先輩」


羽田「おい、どういう事なんだ」


一「見たんだよ確かに!桜樹先輩が首吊られてて、その横に気持ち悪い仮面をかぶった黒いマントに身を包んだ奴がいたんだ!」


『あれは確かに放課後の魔術師だった!!』



あたしたちがみんなにそう言っていると尾之上君が「放課後の魔術師…やっぱりいたのか!」と言った。
その後ろから真壁君が姿を現す。



真壁「何騒いでるんだ？みんな」


美雪「真壁君…」


尾之上「お前も桜樹先輩に呼び出されたのか？」


真壁「…あぁ」


美雪「桜樹先輩が放課後の魔術師に襲われたらしいの」


真壁「夢でも見たんじゃないのか？」


一「夢なんかじゃない!!」



金田一君が真壁君にそう返すと、用務員さんも「いや、俺も確かにこの目で見た」と言った。
金田一君があたしにも同意を求めるように見て来るので頷く。



真壁「だとしたら、桜樹先輩のイタズラなんじゃないのかな」


浅野「イタズラ？」

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