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その夜、シャワーを浴びようとした鎌本を無理矢理風呂に入れさせたはいいが、その香りがまた女子を惹きつけ、またもや苛立ちを募らせる千歳たち。
そしてお客さんが帰った後、今度は3人がエプロンに三角巾をしながらカレーを作って鎌本に提供した。
勿論、量を多く作ったため、多々良と華奈と出雲と尊と私とアンナが一つのテーブルに集まって余りのカレーを食べている。
いつになく張り切っている3人に多々良は「あはは」と笑い声を上げた。
多々良「甲斐甲斐しいねー」
出雲「…ったく騒々しい。こんな深夜にカレーとかこっちまで太るわ」
華奈「結構、美味しいけどね」
文句を言いながらも食べる私達。
翔平「…つーか、鎌本さんのアレ、本当にタダの夏バテなんすか」
華奈「あれ、まだ疑ってたんだ。仕方ないね…知りたい?鎌本に何が起こってるか…」
翔平「えっ」
華奈の奴…。
華奈「これは
ごくりと翔平が唾を飲む。
私はそれを横目にスプーンを置くと、立ち上がって華奈の背後に静かに近寄った。
それに気づいた出雲と多々良と尊とアンナがカレーを持ってテーブルから一歩下がる。
華奈はそんな事に気付かずテーブルに両肘をついて手を組んだ。
華奈「鎌本が夏に痩せるのは冬に脂肪として蓄積し、使用していた吠舞羅の力が反動を起こしているからよ…。鎌本の
私は思い切り華奈の頭をスパンとハリセンで叩いた。
「いだっ!!?」とテーブルに頭を打ち付けた華奈のカレーが反動で宙に浮くが出雲が上手くキャッチしていた。
そして離れていた尊たちがテーブルに戻ってカレーを食べ始めるのとほぼ同時に涙目になった華奈が打った額と叩かれた頭をさすりながら私を睨みつける。
華奈「たーー…」
『適当なことぬかすんじゃないの』
翔平「(やっぱ俺、騙されてんじゃねえかな…)」
それから鎌本太らせ委員会は頑張った。
鎌本の夏バテを気遣い、隙を見ては食べさせ、食べさせ、そして―――。
1ヶ月にも及ぶ涙ぐましい努力の末―――…。
翔平「ホントに…鎌本さんだった…」
多々良「おー、今年は元に戻るの早かったねぇ」
華奈「努力の結果ね」
『そんな事に努力使ってどーすんのよ』
そんな事を話す私達の後ろでは八田ちゃん達がゼーゼーと荒い息を吐いていた。
お疲れ…。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時