第9話 「夏のKamamoto」 ページ47
-Aside-
私と華奈が並んでご飯を食べていると、カウンターの横では八田ちゃんとさんちゃんがイライラしたように顔を不機嫌に歪ませていた。
その時、カランとベルの音がなり、そこには多々良と翔平の姿があって私と華奈はご飯を食べる手を止めて振り返った。
華奈「『やほー、多々良、翔平』」
多々良「A、華奈」
翔平「こんにちはー、久しぶりっすね」
西瓜を片手に持ちながらにこやかに手を上げる翔平にニコリと笑みを返してご飯を食べる。
翔平はカウンターでイライラしている八田ちゃんとさんちゃんに恐る恐る声をかけた。
翔平「ひ、久しぶり…」
八田「ああ」
さん「おう」
多々良「何かあったの?」
さん「どうもこうもねえよ!!」
ダンとさんちゃんがカウンターを拳で叩いた時、「キャーー」と女子の悲鳴が響いた。
女子が集まるその中心には、金髪のイケメン。
「よお!翔平じゃねーか!」
翔平「……誰?」
「なんだよ!2ヵ月ぽっちで俺の顔忘れたとか言わねーだろうな」
翔平「え、いや」
翔平にとっては知らない人なので、当然狼狽える。
そんな翔平の背後で八田ちゃんとさんちゃんが憎憎し気に金髪イケメンを睨みつけながら「チッ」と舌打ちを溢した。
その時、バーに集まっていた女子たちが声をあげる。
「鎌本くぅーん♡まだあ?」
翔平「へ?」
「鎌本くーん、注文ー♡」
翔平「は?」
八田「調子乗ってんじゃねーぞ、鎌本のくせに」
両拳を握りしめてギリギリと歯噛みする八田ちゃん。
翔平は唖然としながら「かま…もと?」と呟いた。
私はそれを横目に華奈と会話をする。
『そう言えば翔平、実家に帰ってたんだっけ』
華奈「ってことは突然のこの状況は混乱するよねぇ。翔平今年入ったばっかだし」
ファサと背後に花を咲かせながら爽やかな笑顔を見せる金髪イケメンことーーー鎌本に翔平は固まっていた。
私と華奈の会話を聞いていた多々良が「あ、そっか!」と手をポンッと叩く。
多々良「翔平、ウチで夏過ごすの初めてだっけ。鎌本は少し夏痩せするからね!」
そう、もしゃもしゃと常に何かを食べていたり、八田ちゃんを追いかけて「おせーよ鎌本!」と言われていたあの鎌本は夏痩せをしたのである。
驚愕する翔平を横目に見ながら私はご飯を食べていると、先に食べ終わった華奈が立ち上がった。
すると、ツンと何かに躓いたように華奈が転けた。
華奈「おわっ!」
それをカッコよく受け止める男が“あの”鎌本だ。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時