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吠舞羅のみんなが揃って尊とAを先頭にさんちゃんと翔平がいるであろう場所へと向かう。
中にいる人間は全員血だらけで倒れていて、その場には血生臭い匂いが漂っていた。
出雲「これは…あの2人がやったんか?」
多々良「ずいぶん、派手にやったみたいだね」
華奈「…あの奥ね」
倒れている幾つもの人を一瞥して華奈が目の前のドアを指差すと、Aはそんな華奈を一瞥して足を進めた。
ドアの近くまで来たときにガアンと殴られるような音と共に翔平の「さんちゃん…!?」という声が聞こえてきた。
さん「言っただろ。てめえは…てめぇはなあ、もう1人じゃねえんだ。仲間なんだ。ただの付録じゃねえんだよ」
翔平「な…何言って…」
「ははっ。女がどうなってもいいんだな!?」
翔平「やめ…」
翔平の声に被せるように出雲がドアを蹴り開けると同時にAが掌を前に向けるとその中心から炎が現れ、龍の形に姿を変えると、それは女の子の髪を鷲掴みにしてナイフを振り下ろそうとしていた男に咬みついた。
ゴオッと男の顔面が炎に覆われて「ぎゃあああ」と悲鳴が上がる。
さん「…すんません」
『別にいいよ』
出雲「手間かけさせよって」
ボロボロのさんちゃんが視線を此方に向けて謝ると、それにAはニコリと笑みを浮かべた。
そしてそのまま尊を見上げるAの前で出雲がライターからジジ…と煙草に火をつける。
ボロボロのさんちゃんを抱える同じくボロボロの翔平が振り返ると同時に華奈たちは室内へと足を踏み入れた。
翔平「な……なんで…」
尊「暇で死にそうでな。ちょっとした散歩だ」
Aの隣にいた尊がそう言ってジロと翔平を見下ろすとビクと翔平が震えた。
その膝の上には荒い息をしたさんちゃんが寝転がっている。
尊「力に溺れるとろくなことにならねーぞ」
出雲,華奈「…という自戒?」
尊「…うるせえ」
からかうように尊にそう言うと一蹴された。
男たちは華奈たちを見て狼狽えたように顔を引き攣らせた。
どうやら華奈たちが誰か分かったらしい。
「おまえら…まさか」
八田「そうだ。オレたちが吠舞羅だ!」
首筋にある吠舞羅のマークを八田ちゃんが見せると男は「…じゃ…じゃあおまえが…」と尊を見た。
「周防…尊…!?」
「じゃあ隣にいる女は…桜ノ宮A!?」
応えるようにAが男たちに視線を向けると、そいつらは怯えたように銃を構えてガンガンガンとAに向かって撃ってきた。
それに対してすぐに尊が動く。
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かなと - 違反だということを少しは意識して下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年7月24日 8時) (レス) id: 8e417a7b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さきっち | 作成日時:2019年7月24日 8時