吠舞羅のお姫様 (ページ44)

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華奈も多々良からタオルを受け取って汗を拭いている隣で、汗を拭き終わったAは首にタオルをかけながら、3人を見上げた。

『3人もやる？バスケ』

出雲「せやなぁ…」

多々良「やろうよ!楽しそうだし」

多々良の言葉で決まった。
チームは多々良と出雲、Aと尊になった。
華奈は疲れてやりたくないと言ったため、審判だ。

華奈「じゃ、行くよー」

華奈の掛け声でスタート。
高校生のしかも男子にも負けないほどに軽やかな動きで出雲と多々良を抜いていくAがそのままシュートを打って点数を入れる。
尊が点数を入れたり、出雲が点数を入れたり、多々良がトラベリングをして反則になったりと結構楽しくやっていたのだが。

『尊、パス!』

Aからパスが来た尊がゴールに向かってダンクをしたその時、バキンッと音がしてゴールが壊れた。

出雲「嘘やろ？」

華奈「マジ…？」

『ゴ、ゴールが壊れた…』

多々良「キングーーー!!何やってんのー!!」

話し終えた出雲。
世理の顔はだんだんと呆れを表現していた。

出雲「ええ歳こいて遊びにマジんなって怪我したり」

次の出来事は、Aと華奈がクラブが終わり合流したその後。

多々良「キング、草薙さん、A、華奈。缶けりやろ缶けり!!」

飲み干したおしるこの缶を差し出しながらにこやかにそう言った多々良。
ブランコに座ってタンマツをいじっていた出雲と、その隣のブランコに座りながらパンを食べている尊と、その尊の足の間でブランコに座りながら尊に買ってもらったパックのジュースを飲んでいるAと、Aたちの前にある柵に寄りかかっていた華奈が多々良に顔を向ける。

出雲「はあ？」

『缶けりって…』

華奈「学校でこの前やったよねー」

尊「缶…？」

多々良「キングやったことないの？」

多々良は砂で絵を書いて尊に説明した。

多々良「じゃっ、鬼キングからね」

わーーと逃げていく多々良たち。
華奈もやる気十分でAと出雲は「メンドくさ…」と言いながらも隠れた。
そして数秒後、缶の周りに誰もいない事を確認した出雲がめんどくさそうにたったっと軽い足取りで缶に向かうと、後ろからガッと頭を摑まれた。

出雲「!!?」

そしてそのままドゴォと地面に顔面から叩き付けられる。
思わずその光景にAと華奈と多々良は固まった。

多々良「キ…キング!?」

尊「…缶をける奴を倒せばいんだろ」

血を流して倒れている出雲の傍からユラ…と尊が立ち上がる。