第56話 ページ9
それから四龍の戦士たちは、自らの力を人の手に余るものと
部族の元を去り
それぞれいずこかへ消えたという。
「残された部族は独自の発展を遂げ、今の五部族となったのです」
「建国神話…それが私達に何の関係があるの？」
「A姫は生きたいと言いましたよね」
『はい』
「でも独りでは生きられない。外に出ればまた命を狙われる。貴女のそばには貴女を支えるハク殿がいる。しかしこのままでは、ハク殿は死にます」
イクスのその言葉にAは愕然とした。
その時、岩に背を預けて座っていたハクが腕を組みながら口を開く。
「ちょっと待て。勝手に殺すな。神の声なんざ俺は聞こえねえ。そんな」
ドカッ
ドカッ
ユンとカナがハクの傷口を拳で殴った。
ハクは傷口をつついてくるユンとカナに対して痛みに耐えながらイクス達に向かって言う。
「脅しかけても布施は出さんか ら な」
「このよーに、非常にヤバい」
そんな3人を見ていたヨナは呆れたようにため息をつきながらカナの頭をスパンッと叩いた。
「いた!?」
まだ頭の傷が完全に治っていないカナは頭を押さえながらヨナを見上げた。
イクスはカナたちを置いてAに話しかける。
「貴女には味方が必要なのです」
『でも誰が…』
「四龍の戦士を探しに行かれよ」
「四龍の戦士って伝説の!?いるの!?」
「まさか。神話の時代よ」
「いますよ」
目をキラキラさせてそう言うヨナにカナが信じられないと目を向けるとイクスがそう言った。
「彼らは今でもこの国でひっそりと龍の血を受け継いで生きている。彼らが力を貸してくれるでしょう」
『……神官様。私はハクを死なせたくない。…けど、伝説の龍達はこんな私事で力を貸してくれるかしら』
「貴女とヨナ姫はあの夜、奇跡的に命を拾い、城から奇跡的に逃げのび、この奈落の崖を落ちて奇跡的に無事でした。それはもう奇跡的ではなくここへ導かれる天命だったのだと、僕は思います」
小さくヨナが「天命…」とつぶやく。
「伝説の四龍をもし見つけることが出来たなら、それは貴女の私事ではなく、天命なのです。
しかし、天は道を示すだけ。歩いてゆくのは貴女自身です」
その言葉にAが目を見開くとイクスはへな…と倒れ込んだ。
目を丸くするA達の前でイクスが絞り出すように声を出す。
「たくさんしゃべってつかれたでふ…」
「神と年寄り、話、長すぎ」
ユンのその言葉にカナは同意するように頷いた。
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
