第54話 ページ7
「「え？神官の家？ここが？マジで」」
翌朝。
目を覚ましたカナと共にハクは並んで座りながらぱくぱくと饅頭を食べていた。
そんな2人にヨナとAが「うん」と頷いて見せる。
「へえ、すげー偶然」
「ホントにね」
ユンの頭の上からひょいっとそれを取ってはぱくりと食べる。
「しかし、隠れ住んでるとはいえ、神官の家つったらもっと祠的なところかと思った」
「なんか意外よね」
「ちょっと」
ハクとカナがそう言って饅頭を食べ続けているとユンが立ち上がって2人を怒鳴りつけた。
「勝手に食べないでよね!あんたら元気すぎ」
「「おお神官様、お恵みを」」
「俺は神官じゃないよっ」
そんなコントのようなやりとりをする3人をヨナが呆れたような目で見ていると、Aはふとイクスが何処にいるのか気になってキョロキョロと辺りを見回した。
『神官様、どこに行ったのかな』
未だに饅頭で言い争っている3人を置いてヨナと2人でイクスを探しに行くと、川の所でイクスが座っているのが見えた。
後ろから2人が声をかける。
「『神官様』」
2人がそう声をかけると、イクスは振り向いた。
が、その頬に流れる涙にAとヨナは目を見開いて慌ててイクスに駆け寄る。
「どうしたの!?」
『大丈夫？』
「あ」
2人に気付いたイクスがずびっと鼻をすすった。
「あなたたちの夢を…見ていました。
あなたたちをこの世界の夢を…。
A姫、ヨナ姫。
神の声を聞きたいですか？」
その言葉に2人は顔を見合わせた。
ヨナが口を開く。
「……ムンドクに、神官様に道を示して頂くよう言われたの。道とは…
誰かに示してもらうものですか？」
『私は何もしないでじっとしてるべきなのかと思っていた。でもおわれて、ハクとカナを殺されそうになって、自分とヨナも死にかけて』
―――血が熱くて、沸騰しそうに熱くて
私だって、自分の足で立って、歩ける―――
『生きたいと思ったの。私もハクの命もヨナの命もカナの命も、決して奪わせやしない。
私の願いは今はただそれだけ。神様に聞く事なんて…』
「……いいえ。
あなた達が“生きる”という事は普通に、平和に暮らすのとは違う。あなた達が生きるという事は、この高華国の大地を揺るがす嵐を起こすという事」
「神官様…？」
Aとヨナの後を追って来たハクとカナとユンは黙って見守る。
「あなた達が真っすぐに生きたいのなら、熱き血潮を止められぬのなら、あなた達に神の声を伝えましょう」
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
