第95話 ページ47
松明を持つユンを先頭にAとヨナが手を繋いで進む先にいたのは、背中の剣に手を伸ばした青龍の姿。
青龍の胸がAとヨナの姿を視界に入れた途端、ドクンと大きく脈打つ。
「『こんにちは』」
ズキンズキンと疼く目に青龍は不思議に思いながら背中の剣を一気に抜き放った。
「うがあああ」
威嚇のように振り下ろされたその剣にAとヨナは眉を寄せて、ユンは冷や汗をかきながら一歩後退る。
そして隣にいるAの肩をバシバシと叩いた。
「やばいよお姫様っ。こんな穴ぐらの奥で面つけてうずくまってるなんて、やっぱアブない人だったんだよ!俺、カナとキジャ呼んでくる」
「剣、向けてるよ？息荒いよ？俺、美少年だよ？」と混乱しているユン。
その時プキュっと聞いた事がある鳴き声が聞こえてAは下を向くとそこには自分を見上げているリスの姿があった。
『あっ♡また会った』
「あ、可愛い」
『でしょう？』
「何この頬袋ぱんぱんの小動物!!」
Aは抱き上げると、可愛いと言ったヨナにリスを渡した。
ヨナの耳飾りを食べているリスの頬をつつきながら青龍に問い掛ける。
『この子、何ていう名前？』
しばらく静寂がその場に漂う。
「…………………………アオ…」
「あ、答えてくれるんだ」
「『全然似合わないわね』」
「歩み寄ろうよお姫様!!」
突っ込みで大忙しのユンに対して青龍は(似合わ…ない…やっぱり…俺も…そう思う…)と心の中で呟いているとリスを肩に乗せたAが青龍に向かって口を開いた。
『さっきは助けてくれてありがとう。私、A。隣にいるのは妹のヨナ。あなたの名前は？』
「…………青…龍…」
「…あなたの名前よ。それはあなた自身の名ではないでしょう？」
「……名は…ない。ただ…青龍だ」
それを聞いたAとヨナが顔を見合わせて青龍に近寄ろうと一歩踏み出すと、
「寄るな…!」
剣を振り上げてAとヨナに向けた。
「お前達はなんだ…？なぜこの里に入ってくる!?なぜ俺に近づく!?なぜ、あの白い龍は……」
―――なぜ
「…私達はあなたに会う為にここまで来たの」
なぜ俺はこんなにも
『青龍。あなたの力を借りたいの』
こんなにも
「『私達と一緒に来てほしい』」
この少女たちに逢いたかったと思うのだろう―――
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
