第92話 「呼びあう」 ページ44
「里の人間に連れて行かれそうになった!?」
その言葉にAがコクと頷くとキジャは龍の手を巨大化させた。
「おのれ…!!姫様を救わぬばかりか、地下に閉じ込めるなど余程、私の逆鱗に触れたいらしいな」
「落ちつけ。
まったく、坊ちゃん育ちはキレたからって物騒なモン出して、一般人殺す気か？」
「大人になりなさいよね」
「あんたたちもな元将軍!!元護衛!!」
明らかにキレたような顔で大刀と槍を握りしめるハクとカナをユンは冷静に止めた。
ヨナは先程から何回もAに「怪我は？」と聞いている。
「……青龍、出てきたのに去ったね。いや、逃げたのか…？」
「青龍といい、里人といい、どうなっているんだここは…」
「…同じ龍の里でも白龍の里とは真逆ってことだね」
「何…？」
「白龍の里を見てきたからここは異質に見えるけど…考えてみたら白龍の里が特別なのかも。
ここでは赤い髪と桃色の髪への信仰はないし、龍神の力を崇高なものとしていない。青龍にとっては俺らは本当に侵入者でしかないのかも」
そんなユンの意見にキジャは「そんな…」と言った後。
「四龍たる者、主のもとに一刻も早くはせ参じるものだ。私はお二方に会って里を出るまで半日とかけなかったぞ!!」
「だからあんたは早すぎだ。フツーじゃねーよ」
目を細めて突っ込むユンにキジャが誇らしく「当然っ」と腕を組みながら言うと話を聞いていたカナが「いや、ほめてはいない」と突っ込んだ。
『…でも助けてくれたよ。青龍…やさしい手をしていた。会って話したい』
「私も…話してみたい」
青龍に掴まれた手を眺めながら言うAの隣でヨナもそう言うとハク達は2人を振り返った。
「つまりまたあの迷路に入るの？」
『「ええ」』
「怖い目にあったのに、全然ひるまないのな。
根性あるじゃん、お姫様」
そう言ったユンに2人は嬉しそうに笑った。
「行こう。あの行き止まりの場所に何かあるんだよね？」
Aが戻ってきた道を指し示すユンに頷いてついて行こうとしかAの腕が誰かに掴まれた。
振り返るとハクがしっかりとAの腕を摑んでいる。
「姫さんたちはここにいろ」
『ハク？』
「青龍は俺とカナとユンで首根っこ引っつかんで来るから」
ユンが「暴力はキライだよ」と呟くとキジャが口を開いた。
「何を言う。行くなら私だろう」
「よし!任せた白蛇様。ひとりで行ってらっさい〜」
「なにーーッ!」
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
