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第84話 ページ36

「キジャどう?」


カナの問いかけにキジャは首を振った。


「ここもダメか〜っ」


それを見てA達はぐったりと地面に座り込んだ。
キジャは山の麓付近を指差す。


「向こうからもやっと…」

「え?まだ向こう?
おかしいなーそれらしき所には行ったのに。
この先は戒帝国だよ?まさか青龍、国境超えたんじゃないだろーな」

「鼻がつまってんじゃねーのか?白蛇」

「鼻で嗅ぎ分けてるのではないっ!」

「やめなさいよ、あんたたち」


ハクとキジャにカナがため息をついて疲れ果てるとキジャは岩に座っているAとヨナに歩み寄った。


「姫様、足を痛めたのですか?」

「…大丈夫」

『ちょっと疲れただけ』


そう言って2人は微笑むがその手は足首を押さえている。
歩き疲れて足を痛めたのだろう。
そんな2人にユンはスッと瓢箪を差し出した。


「飲んで」


受け取ったヨナが飲み、続いてAが飲むと2人は驚いたように目を見開いてユンを見上げた。


『おいしい』

「何、これ?」

「ビワの果実酒。飲むと疲労回復」

「ミツバを足に貼っときますから今日は、もう休んで下さい」

「『ユン、カナすごい〜物知り〜』」


そして夜になると、ぐーーと寄り添い合って眠るA達をキジャは寒さに体を震わせながら見ていた。


(な…なぜこのような所で眠れるのだ)


―――皆、疲れたのだ。
何日も身を隠し、周り道をしながら歩き続けたのだから―――


キジャは悔しさに顔を歪めて唇を噛み締める。


―――私がもっとはっきりと四龍の居場所を感じる事が出来れば、姫様方をあそこまで疲れさせてしまう事はないのに。

ハクやカナやユンの知識と知恵に頼るしかないとは


くやしい


青龍よ。

龍の血を持つ兄弟よ。

呼んでいるのだぞ。

ずっとずっと、我々の主が、探しておられるのだぞ。

そなたもそこで、待っているのだろう…?

王を渇望しているのだろう?―――















『ヨナ、もっと上に向けて』

「姉様」


暗闇から現れたAにヨナが驚いたように目を見開く。
そして言われた通りに木を睨みつけて矢を上に向けると綺麗に真っ直ぐ突き刺さった。
それを見たAは頷いて、ヨナに近寄る。


『ちょっと貸して』


ヨナから弓矢を受け取ると、Aは夜の風で揺れる木の実に矢を向けた。
キリキリと弓を引くと風の動きを読み、視線を木の実に集めると一気に矢を射る。



ダンッ



木の実を貫き、矢は木の枝に刺さった。


「すごい、姉様!」

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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい! (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです! 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです!笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきっち | 作成日時:2018年7月27日 19時

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