第82話 ページ34
「白蛇てめ、いいとこジャマすんな」
「姫様に食べさせてもらうなど図々しい」
「ちょっとは大人しくしてなさいよ」
そんな2人を見ながらカナが呆れているとユンがバサと地図を広げた。
「さて、食べ終わったら青龍の居場所なんだけど。
キジャ、青龍の気配は？」
「向こうが何か、もやっと…」
「はい、お手数かけました」
まるで漫才のような2人のやり取りにカナは苦笑するとAとハクの元にヨナと共に駆け寄る。
荷物をハクの近くに下ろしながらカナは疑問に思った事をキジャに問い掛けた。
「青龍って白龍と同じく里があるの？それとも一人？」
「それがよくわからないのだ」
キジャの知る限りだと、青龍の一族は、昔、地の部族の土地に隠れ住んでいたらしい。
だが、ある時を境に青龍の里はこつぜんと消え、一族も行方不明に。
「消えた!?でも、滅びてはいないんでしょ!?」
驚きの表情を見せるユンにキジャはこくりと頷く。
「目を閉じれば青き龍の鼓動を確かに感じる」
「イクスは白龍以外は移動してるって言ってた。たぶん、青龍一族は里ごとどこかに引越したんだ」
口元に手を当てながら考えるユン。
キジャとユンの会話をA達は静かに見ていた。
「キジャの示す方向は東北東。火の部族の土地。
なら思い当たる里がありそうな場所は、6か所かな」
「ユン、行った事あるの？」
「ないよ」
ヨナの問いかけにユンはそう言うと「でも」と地図を指差した。
「この辺りは彩火の都に次ぐ大きな町があるし。ここは商団が行き交う道や貴族の別宅があるからね」
「なるほど。それ以外で目立たず人も通らない土地となると、6か所くらいに絞られるってわけね」
カナの言葉にユンがそういう事と頷くと、Aが『すごい!』と言いながらユンの頭を撫でた。
『ユンって本当に何でも知ってるのね』
「坊や扱いしないでくれる？一つしか違わないのに」
顔を淡く染めながらユンがそう返すとヨナがAに駆け寄ってきて、
「姉様、私も!」
頭を突き出した。
それに一瞬驚きの表情を見せるも嬉しそうに口角を緩めながらAがヨナの頭を撫でると、ヨナは嬉しそうにAに摺り寄った。
微笑ましい姉妹に皆が口許に笑みを浮かべる。
「よし!野郎共、明日から本格的に青龍探しだ!」
「なら、今日はさっさと寝ましょ。
おやすみー」
「おやすみ…ってえっここで!?」
「『おやすみーー』」
「ちょ…っ待…」
「うっせ、白蛇」
「キジャ、静かにして」
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
