第51話 ページ4
「どうして追い出されたの？」
先程の話の続きだろうか。
いまいち話がわかっていないAは大人しくヨナ達に視線を向けて様子を伺っている。
「呆れた。城にいたくせに知らないの？」
その一言がヨナとAの胸に突き刺さった。
神官がいたことについても2人は今まで知りもしていなかったのだ。
―――私は、城の中の事も知らない―――
「う…」
『ハク!!』
Aがそう考えていると自分の隣から呻き声が聞こえて顔を向けた。
布団を剥いでハクの元に駆け寄る。
『ハク…っ』
「どいて。熱があるね」
荒い息をつくハクを見てユンがそう言った。
「手術したからしばらくは熱、引かないよ。今晩が峠…ってトコかな」
―――ハク。いや、死なないで―――
祈るように両手を握りしめて目を瞑るAを見たヨナは治療にあたろうとするユンの腕を摑んだ。
「ハクを助けて…!」
「…やってるよ。死なれると面倒だし。でも、俺は医術師じゃない。
助けてもらうのが当然だと思わないで。そこの人は言ったけど、あんた、まだ助けた礼の一言もないじゃない」
チラリとAを見ながら話すユン。
「こいつにしても、その茶髪の女にしても、一度でも礼を言った事あるの？死にかけてまであんたを守ってんのに」
そのユンの言葉にAが静かに目を開けるとトンとイクスがAの肩に触れた。
「大丈夫。彼には、まだ死神様のお迎えは来てないから。彼は戻ってきます」
そう言ってユンの元に向かったイクスにAは何度も頷くと隣のヨナに視線を向けた。
ユンの言葉が胸に刺さったヨナは涙を流してハクとカナを見つめているだけで。
Aはその姿に目を細めると、ぎゅっとヨナの体を抱きしめた。
・
・
「…あの、ありがとう。助けてくれて」
夜になってAと一緒にユンの元を訪れたヨナはお礼を言った。
振り返ったユンは一度ヨナを見ると、すぐに視線を戻す。
その後ろ姿にAは声をかけた。
『教えてほしいの、あなた達神官の事』
「私達は何も知らないけど、阿呆のままでいたくない」
そう言った2人にユンは手を止めて振り返ると、口を開いた。
「訂正するけど、俺は神官じゃないよ。あの生活力のないのほほん神官の面倒見てるだけ。
イクスが城を追い出されたのはまだあいつが幼い見習い神官だった頃だよ。神殿は取り壊され、何人かは捕まって処刑された。
どうして神官達が追い出されたのかって聞いたよね」
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
