第73話 ページ25
「あ、戻ってきたわよ」
「んーー？なんかすっげ雲行き怪しいよーー」
「「めんどくさ」」
カナとユンがそう言って見る先には、すたすたすたと足早にこちらに向かってくるハクと白龍の姿。
2人の背後に龍と雷獣がお互いを威嚇し合っている様子が浮かんでいるのが見えて、ユンとカナは心底嫌そうに、めんどくさ。と呟いたのだ。
そんなハクと白龍の姿に思わず駆け寄るAとヨナ。
『どうしたの？』
「姫さん、こいつはダメだ。他を当たろう」
「なっ。そなたこそ去れ。姫様は私一人で十分だ!」
「温室育ちの坊っちゃんに外の世界なんてムリムリ」
「姫様、なぜこのような粗暴な者が護衛なのですか!?」
言い合いを始める2人を宥めるようにヨナとユンが口を開いた。
「落ち着いてよ、2人とも」
「そうだよ。何があったのさ」
何でいきなりこんな展開…とカナがため息をつくとハクが口を開いた。
「白龍様は俺に金をやるから帰れとおっしゃるんだ」
「で？その腹のでっぱりは？」
「メタボかな」
カナの言葉に知らんふりをしてそっぽを向くハクを見てユンとヨナが、もってきてんじゃん金…と目を細める。
「姫様をお守りするのは四龍の役目。四龍でもない者は帰…」
『嫌っ』
白龍の言葉を聞いたAがばっとハクの腕に抱き着くと、驚いたようにハクはAを見た。
カナとヨナも驚いたようにAを見ている。
そんなカナ達を置いてAはハクの腕を抱きしめながら白龍に向かって言った。
『ハクは私達の幼馴染みで、城を出てからもヨナと2人になってからもカナと一緒に見捨てずそばにいてくれたの。大事な人なの。
ハクは一緒じゃなきゃ嫌!!』
Aがそう言うと、
「―――ふ…ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
と不気味な笑い声を出すハク。
そんなハクに若干引いているユンとカナは目を細めてハクを見ている。
「―――まあ、ねぇ、ホラ。
つうわけよ。
しょうがねぇなぁ」
↑
うれしい。
めちゃくちゃうれしい。
嬉しさのあまり緩む頬を隠そうともせず前髪に手を当てて、言葉にすらなっていない事を言っているハクを見たヨナはその隙に、これは返却。と素早くハクのお腹にあった袋を白龍に返した。
「…姫がそうおっしゃるのなら…」
白龍がそう言うとやっと自分のお腹にあった袋がなくなっている事に気付いたハクが「ハッ俺のメタボは!?」と言うがその隣にいたカナが「返したわよ」と冷たいひと言を浴びせた。
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
