第71話 「待望」 ページ23
急に倒れた白龍に里の者たちはすぐに駆け寄り、ユンは急いで枕を用意して白龍の頭の下に敷いた。
「白龍様!!」
「白龍様!!」
『大丈夫!?』
「おお…」
「見ろ、白龍様の御手が…」
そういう里の者たちの言葉に白龍の右手に視線を向けるとシュウ…と音を立てて鱗や長い爪が無くなっていっていた。
薄く目を開けた白龍が自分を覗き込むAとヨナを視界に入れる。
―――ああ。父上…血を守り、一族を守り続けた歴代白龍達よ。
「あの…」
『白…龍…？』
「…はい」
感謝します―――
ヨナとAの呼びかけに返事をした白龍はそのまま2人の前に膝をついて頭を下げた。
「私は古より受け継がれし、白き龍の血を引く者。お待ちしておりました。
我が主達よ」
『主？何のこ…と…』
周りを見るとA達、5人に向かって頭を下げる里の者たち。
5人はその事に驚いたように目を見張った。
「おめでとうございます、白龍様!」
「ようやく我が王と姫が現れたのですね!」
((王!?姫!?))
「王」と「姫」と言われた事に心の中で驚くAとヨナ。
「古より守り続けた神の力。ようやく今日、報われるのですね!」
そう言っておおおお、と手を上げて盛り上がる里の者たちに呆気にとられるA達。
ユンがそれを見ながら呆れたように口を開いた。
「なんか、盛り上がってるね」
「そうね」
『王と姫って王族だから？』
「赤い髪と桃色の髪だから盛り上がってんのかもな」
ユン、カナ、A、ハクが順番に告げる。
「でも私と姉様、緋龍王と桃龍の血筋じゃないよ。高華国の歴史の中で火や水の部族が王権握っていた時代もあるから。緋龍王と桃龍の血筋なんて残ってないと思う」
ヨナ達、空の部族の王権時代は現在まで約250年だ。
ヨナが自分の髪を指差しながらそう告げると「我が主達よ」という白龍の声が聞こえてきて、Aとヨナは「えっ」と驚いたように振り返った。
未だに白龍は膝をついたまま、低い姿勢で2人を見上げている。
「よろしければお名前を…」
「…ヨナ」
『…A』
「ヨナ…様、A…様」
―――わあ、この人が白龍。白銀の髪に透き通るような白い肌。人ではないみたい―――
「あなたキレイね」
「はっ…」
ヨナが屈みながらそう言うと白龍は呆けたような顔をした。
そして照れたように頬を薄く染めながらヨナとAを見る。
「とんでもありません。ヨナ様とA様の方が神々しいお姿で」
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
