第69話 ページ21
やっと出してもらえたユンはハクとカナに話しかける。
「…何なの？」
「わからん。姫さん達を見た途端、手のひら返したように…」
「いや、姫さん達というよりは…」
そう言ってハクとカナは風に靡くAとヨナの髪に視線を向けた。
「先程は無礼をお許し下さい。
ここは神話の時代より戦乱の後、役目を終えた四龍の一人、白龍様が流れついた場所。
これまで山賊や白龍様の力を手に入れようとする不届き者を我々は全て排除してきた。白龍様を守りその血を次に渡してゆく事が我が一族の使命であり誇り。他所者を易々とこの地に入れるわけにはいかんのです」
「あんたらの事情はわかったが…
なんだこれは!?」
わらわらとA達の周りに集まる里の者たち。
急にたくさん寄って来られて体を強張らせたAを見たハクがその体を横抱きに抱え上げ、その隣ではヨナを抱き寄せたカナとユンが体を縮こませてハクに寄っていた。
「赤い髪…」
「桃色の髪だ…」
自分の髪に伸びる手に目を丸くするAとヨナ。
「本物か？」
「なんと美しい」
「ありがたや〜〜」
ヨナはその言葉に目をキラキラとさせると隣でAを抱えているハクと自分を抱きしめているカナを見上げた。
「ハク、カナ、聞いた？姉様美しいって」
「「
『2人とも酷い!!』
一応、その美しいという言葉はヨナにも言われているのだが。
「確かに珍しいけど、何ここ。赤髪桃髪信仰か何か？」
「我々にとって赤い髪と桃色の髪は特別な思い入れがあるのですよ。初代白龍様は赤い髪の王と桃色の髪の姫の主に仕えておられたから」
「私、この髪嫌いだったのに。人と違うから」
『私も…』
ハクとカナから離れた2人が髪を触りながらそう言うと「そんな勿体ない!」と声を上げられた。
「貴女達は緋龍王のような赤い髪と桃龍のような桃色の髪で、その上神官様のお導きでこの地を訪れたという。もしや、貴方達が…
もしや貴女方が我々が待ち望んだ方かもしれない。
違うかもしれない」
少し間を挟んだ後に言われたその言葉にA達は目を丸くした。
「違ったらどうするのさ。こんな秘境を知った俺らは…」
「………………………………………………………………………………………ともかく白龍様にお会いになって下さい」
「長い。間が長いよ!
ねぇ雷獣、カナ。守ってよね？もしもの時は守ってよね？」
「「どうしよーかなぁー」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
