第48話 「新王即位」 ページ1
ヨナside
……声が聞こえる。
大勢の…人々の声…
そこにいるのは、誰…？
スウォン…？
冷たい物が顔に落ちてきたことに私はぱちっと目を開けた。
私の上でオレンジを絞ってその果汁を私に垂らしている男の子に私は目を見開く。
「あ、起きた。手、疲れちゃったよ」
そう言って男の子は私の口にオレンジを突っ込んだ。
「…
「俺はユン。ただの通りすがりの美少年だから、忘れていいよ」
ユンって言うんだ…。
綺麗な顔してる。
「あんた達こそ誰？山賊には見えないけど。あの崖から落ちて生きてるなんてしぶといね」
「崖……」
包帯の巻かれた頭を押さえながら、いたいたい、と起き上がる。
そうだ…。
姉様とハクとカナが崖から落ちそうになって必死になって姉様の手を摑んだけど3人の体なんて支えきれなくて4人で崖から落ちたんだわ。
「そうだ、私…。
姉様…!姉様とハクとカナはどこ!?」
「姉様？
ああ、一緒にいた桃髪と茶髪の女と黒髪の男なら、あそこに…」
そう言ってユンが視線を向けた先には、全身に包帯を巻かれたハクとカナと、頭に包帯を巻いた姉様が横たわっていた。
「姉様…!ハク…!カナ…!」
急いでその場所に駆け寄るとハクとカナは他から見ても重傷に見えて。
姉様もかすり傷程度だが、服の間から包帯が見え隠れしている。
3人は目の上に冷たい布をのせられて静かに寝息を立てていた。
「姉…様…」
「生きてるよ、かろうじてね。
男の方の体に受けた毒は何とか抜いたけど、胸に刀傷と打撲。茶髪の方もそうだけど、ろっ骨を何本もイッてるし、出血多量で、あと少し治療が遅かったら死んでたね。桃髪の方はそんなにひどくはないけど打撲が多いかな。
たぶん崖から落ちる時にあんたをかばったんだ。抱きしめるように倒れてたもん」
「まあ、桃髪の方も同じような感じだったけどね」とユンの言葉を聞きながら私は両手を合わせて目を瞑った。
姉様……ハク……カナ……!!
「そいつら、あんたにそんなに尽くして何？恋人？」
「姉様は双子の姉でカナは友だち…かな？ハクは全然違う」
「ふぅん……」
だって、ハクは姉様が好きなんだから。
「ここは谷底？ここに住んでるの？」
「まあね」
「あなた医術師？私、人を探しているのだけど……」
「ユン君っユン君っ。聞いてくれっ。僕の話を聞いてくれっ」
そう言って全身ボロボロで泥だらけの男の人が駆け寄ってきた。
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fruit - すごく面白いです。でもセリフを誰が言っているのかわかりにくいです。 (2021年8月13日 21時) (
レス) id: 80d0b24791 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ?(プロフ) - 面白すぎて眠れません笑これからも頑張って下さい！ (2018年11月29日 2時) (レス) id: 20429ecf64 (このIDを非表示/違反報告)
あーさー - めっちゃ面白いです！ 暁のヨナを書き終わったら、FAIRYTAILの原作沿いでグレイ落ち書いてほしいです！笑 (2018年8月3日 15時) (レス) id: 3e9f6fbfb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきっち
| 作成日時：2018年7月27日 19時
